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連載今夜も劇場へ

犯罪が真実なのか妻の妄想なのかを決めるのは、観客であるあなた自身

シス・カンパニー『死と乙女』――今夜も劇場へ

2019/09/20

 ドーフマン作『死と乙女』が上演中だ。最近になって民主化されたかつての独裁政権国家。ある夜、夫が医師を連れてくると、妻はその声に記憶があった。十五年前、秘密警察に拉致された時に自分を性的に虐待した男の声なのだ。その間、男はシューベルトの「死と乙女」を流した。

 独裁政権の犯罪を調査するための委員会に職を得た夫ジェラルド(堤真一)は、私的な復讐を実現しようとする妻(宮沢りえ)と対峙する。真夜中に縛り付けられて尋問を受ける医師ロベルト(段田安則)。自白すれば解放するとした妻のために、妻の証言を元に自白調書を作るのだが、それには細工がなされていた。

 俳優は実績からして最高の組み合わせだ。後悔していないとして処刑しようとする妻と無実だとする医師。最後に行なわれる演奏会の場で、犯罪が真実なのか妻の妄想なのかを決めるのは、観客であるあなた自身だ。

ツイッター、@GashuYuukiもご覧ください。

INFORMATION

シス・カンパニー『死と乙女』
アリエル・ドーフマン作、小川絵梨子演出
~10月14日、東京・三軒茶屋 シアタートラム
10月18日~21日、大阪・梅田 サンケイホールブリーゼ
http://www.siscompany.com/sisotome/gai.htm

出典元

ZOZO前澤友作(43)「人間失格」経営

2019年9月26日号

2019年9月19日 発売

定価440円(税込)