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「子供の視界を遮るためにベッドの縁には布団を被せます。Bさんは『ほかの子が遊んでいるところを見られないようにするため』と言っていました。今年1月頃にはベッド全体に布団を被せたこともありました。子供たちは恐怖で泣き叫びますが、やめることはありません。布団で保育者の目も遮られるので、本当に危険なんです。『ベッドにいれるよ』と言われるだけで泣いてしまう子もたくさんいます」(同前)

虐待音声公開「泣けばいいと思ってんじゃねーよ、この野郎」

 これらの行為について、「重大な悪影響を及ぼしうる虐待です」と断じるのは保育カウンセラーの井桁容子氏だ。東京家政大学ナースリールームで40年以上保育士として勤務した後、現在は「すくすく子育て」(Eテレ)に出演するなど、子育て・保育カウンセラーとして活動している。

ベビーホテル「X」はビルの1階にある ©文藝春秋

「例えば嫌いな食べ物を無理やり口に押し込まれたとき、脳のどこが反応するかというと、殴られたときと同じ場所なんです。それはされた本人だけではなく、周りで見ている子供たちにも同様の影響があります。

 精神を安定させ、人間関係ホルモンとも呼ばれる、オキシトシンと受容体の数は 1 歳前後で決定すると 言われていますので、その時期に不安や抑圧された環境で過ごすことは生涯に渡って悪影響を及ぼしうる。また、幼少期に親に限らず特定の大人との愛着関係を結べないと、基本的な信頼感がはぐくまれないんです。そうなると自己肯定感を持ちにくく、成長してから周囲の人と上手く関係を築けなくなってしまう。幼い頃ににどれだけ安心できる環境 で育つかは、その後の“心身の成長や生きやすさ”を左右するんです」

 しかし、こういった行為が行われている保育施設は「X」だけに限ったことではないという。

「悲しいことに、このような保育や子どもとの関わりを『しつけだ』『教育だ』 と捉え違いをしている保育士は少なくないかもしれません。1 歳の子どもに『ごはんを残 さず食べなさい』『お友達に謝りなさい』とその行為だけを強いることは保育でも教育でもないし、専門家としての子どもへの理解が不十分。叱責を受けたら、ただただ恐怖を感じる だけです。保育のプロである保育士が、それを知らなかったでは済まされない」(同前)

 悲惨な状況をみかねたR子さんは今年6月11日に足立区児童相談所に通報した。2日後には東京都福祉保健局の保育施設検査担当職員が立ち入り調査に来たが、その後も虐待が改善されることはなかったという――。

 後編では立ち入り調査後にA園長と保育士Bの居直った様子や、A園長と社長Cへの直撃取材の模様を報じる。

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