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《佐野SA再出発へ》“解雇部長”も現場復帰、自費1500万円も協議へ

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会, 企業

時給1300円、求人広告の衝撃

 お盆休みに始まった佐野サービスエリア(SA)の従業員によるストライキ。開始から1カ月が経った頃、従業員を驚かす事態が起こる。佐野市内に配布された求人広告で、佐野SAの新規スタッフの募集がなされたのだ。

〈A社 「えっ、この内容でこの時給!?」って言われます(笑) 佐野SA上り線でのお仕事★未経験OK★SA内でのフロア・厨房でのお仕事 時給1100~1200円〉

 自分たちの職場で、新たにスタッフを募集している――従業員たちに動揺が広がったのは言うまでもない。加藤正樹元総務部長(45)がその影響を語る。

「従業員のほとんどが時給800円台からスタートしていて、この募集にある時給1200円が本当だとしたら、この地域では破格の待遇。50名のスタッフがすぐに集まってしまうのは明らかでした。つまり、私たちの戻る場所はなくなってしまうのです。

 スト開始後、佐野SAの現場を取り仕切っていたのは、預託オーナー商法で社会問題となった企業の関係業者A社でした。その業者がスタッフを募集していた。社会問題になったA社に、私たちの職場は“占拠”された。豊富な資金力で持久戦に持ち込まれ、正直なところ、私たちの勝ち目はなくなったと思いました」

お盆からの続いていたデモが終結した佐野サービスエリア ©文藝春秋

 その後も、出入り業者だったB社、C社が佐野SAに送り込むスタッフを募集し始めた。

〈B社 接客・調理補助・洗い場等 未経験歓迎! 経験・年齢問いません 時給1300円~(試用期間有)〉

〈C社 業務拡大のため新規スタッフ大募集 接客・調理補助・洗い場等 未経験歓迎★年齢不問 時給1300円~(試用期間有)〉

 ここで加藤氏は、あることに気が付いたという。