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トランプ大統領のウクライナ疑惑 「ウォーターゲート」の再現なるか

2019/10/10

 米下院は9月24日、トランプ大統領の弾劾調査を開始すると発表した。

 トランプ政権を揺るがす「ウクライナ疑惑」。その発端は、7月25日の電話会談でウクライナのゼレンスキー大統領に2020年の再選に向けた支援をもちかけたことだった。

「トランプは民主党の筆頭候補であるバイデン前副大統領と、その息子の汚職疑惑について調査を進めるよう、圧力をかけたのです。電話会談の数日前には、トランプ自らウクライナに対する4億ドルの軍事支援を一時停止していた。つまり支援を交渉材料にして、政敵潰しを求めていたのです」(現地記者)

マスコミとバイデンへの“口撃”を強める ©ロイター=共同

 ホワイトハウスが公開した電話会談の記録によって、トランプのゼレンスキー大統領への「要求」は概ね事実と判明。さらにはホワイトハウスの顧問弁護士の指示によって、通話記録が通常のコンピューターシステムから全て削除され、機密情報を扱うシステムに移行された隠蔽工作も明らかになっている。

「ウクライナ疑惑」が火を噴くや、例によってトランプは「魔女狩りだ」、「誰が告発者なのか知りたい。まるでスパイだ」と激怒。米紙ニューヨークタイムズなどは、トランプが「スパイや国家反逆罪について、かつては今と違う対応をしたものだ」と発言するなど、告発者への死刑適用にまで言及したと報じている。

 匿名の告発者は、CIA職員でホワイトハウスに出向経験もある人物とされる。電話会談の目撃者ではないものの、顧問弁護士を通じて、議会で証言する意向を示している。