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パパはヒーロー! 愛娘を“虫”から守る、害虫駆除のプロフェッショナル

東日本環境アクセスのプロフェッショナルたち #10

2019/11/27

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 防虫防鼠の仕事は、やればやるほど奥が深い、と松井さんは話す。「たとえば、これをやったら確実にネズミが出ない、という確実な答えはないんです。その時の建物の状況や季節、クライアントのゴミの出し方などによって最適な対応を自分で導き出さないといけない。自分なりに工夫して行った害虫対策が成功した時は、『やった!』と思います」

天井裏をのぞいてネズミの足跡や尿染みがないかチェックする

不安や甘えなど「心の隙間」を埋める

 松井さんは現場での経験を積むだけでなく、意欲的に資格取得に取り組んでいる。また、セミナーなどにも積極的に参加し、自分のスキルアップにつなげている。

 2年以上の現場経験で受講資格が得られる「防除作業監督者」という国家資格も、自分で調べて会社に受講申請を出し、資格を取得した。「害虫駆除だけでなく、建築物環境衛生制度に関する知識も必要で、覚えなくてはいけないことがたくさんありました。でも、『負けたくない』という気持ちで、必死で頑張りました」と松井さんは笑顔を見せる。

 セミナーや講習会などにも積極的に参加しているというが、あるセミナーで、「あなたたちの仕事は、ネズミの穴を埋めるだけではない。お客様の不安や、作業者の甘えなど、『心の隙間』も埋めなさい」と言われたことが今でも自分の教訓になっていると松井さんは話す。「防虫防鼠の仕事は、『これでいいか』と適当な気持ちや甘えがあると、うまくいきません。実際に害虫やネズミが出入りする穴をふさぐことも大事ですが、お客様の抱える不安や恐怖を取り除き、安心して過ごしていただけるように『心の穴』を埋めることも、私たちにしかできない大切な仕事だと思っています」

 現在は本社の駅クリーン事業課という部署で、駅や商業施設に害虫駆除業務中心の営業を行っている松井さん。害虫駆除と清掃の説得力のあるセット提案でオーナーから喜ばれることも多いという。

「契約に関しても、『心の穴』をふさぐ努力をしています。これくらいの金額でいいか、とか、今回は契約できなくてもいいや、など心の甘えや隙間を出さないように、常に100%で取り組んでいます」

納得できないことは、相手が上司でもとことん追究する

現場経験がすべてのベース

 現場経験は、現在の仕事をする上で非常に役立っていると話す松井さん。今でも人が足りない時は、率先して現場応援に駆けつけることもある。

「それまでどんな方法を試しても害虫被害がおさまらなかったという現場で、私が試した方法でピタリとおさまった時は、本当に嬉しかったです。オーナー様から『今後も引き続きお願いしたい』と言われた時は、お客様のお役に立てた喜びと、自分の仕事が認められた達成感で、本当にこの仕事をしていてよかったと感じます」

「マイクロジェット」という機械でハエの駆除を行う松井さん

 防虫防鼠の仕事は「3K」ならぬ「4K」だと松井さんは言う。「汚い、臭い、きつい。そして怖い。害虫やネズミが急に飛び出してくるのは今でもやっぱり怖いですし、病原菌に対する恐怖もなくなるものではありません。でも、知識と経験でリスクを最小限に抑えることができるのも、この仕事。『知っている』ことが、日常生活で役立つこともたくさんあります」