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連載DMM亀山会長に聞いてみた。

DMM亀山会長「うちでは不正が発覚したらクビ。でも、それを徹底できない企業が多い」

DMM亀山会長「うちでは不正が発覚したらクビ。でも、それを徹底できない企業が多い」

かめっち会長の相談室

2019/10/11
note

Q どうして社会的地位も名誉もある人たちがリスクのある不正をするの?

 大企業の役員が金品を受け取る事件がありましたが、社会的地位も名誉もある人たちが、どうしてこのようにリスクのある不正をするのか理解ができません。そして、事件が発覚しても当初辞任しようとしなかった理由もわかりません。亀山さんの会社でもこういった不正はあるのでしょうか?

(20歳・男性・学生)

A 世間を騒がせている事件も、決して特別な出来事ではないんだ。

 日本の大企業の役員ってのは地位も名誉もあるけど、実は、収入がそれほどでもないんだよね。

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 もちろん人並み以上には貰ってるんだろうけど、サラリーマンなので給料はたかがしれている。一方で、何十億、何百億円と動かせる権限は持っているから、下請け会社はご機嫌をとるためにプレゼントをいっぱい持ってやって来る。

 ライトなものはお中元から始まり、接待、商品券、現金、小判と、だんだんプレゼントは大きくなっていく。下請け会社からすれば1億使っても10億稼げれば安いものだからね。

 賄賂を貰った人の中には「会社には損害を与えていない」と開き直る人もいるけど、くれた人には手心を加えて割高な発注をしているだろうから、結局は横領と同じことだね。

 

 でも、企業の収賄は公務員と違って刑事事件にはなりにくいんだよ。だから、よっぽど大きなことにならない限り公表はされない。表沙汰になっていないだけで、どんな企業でも一度や二度はあると思うよ。

 うちの場合は「金を盗んだやつはクビだ!」っていう『鉄の掟』があってね。不正が発覚したら役員社員に関わらず辞めてもらってる。どんなに優秀でも信用できないやつとは仕事をしたくないからね。でも、世間にはこれが徹底できない会社が意外と多いのよ。