昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載THIS WEEK

神戸山口組系組員2人射殺 ヒットマンを引き受けた68歳の“思惑”

 10月10日、神戸市にある指定暴力団・神戸山口組最大の二次団体「山健組」の事務所前の路上で、乾いた音が2発鳴り響いた――。

 首や胸の急所を撃ち抜かれた山健組の組員2人が死亡。ヒットマンはその場で兵庫県警の警察官に逮捕された。社会部記者が語る。

「逮捕されたのは指定暴力団・6代目山口組最大の二次団体『弘道会』の組員、丸山俊夫容疑者(68)です。複数の警察官が職務質問をしていたところ、近づいてきた組員に突然発砲した。キャップを被ってカメラを持ち、週刊誌のカメラマンを装って警戒心を解いたようです。確かにメディア関係者が出入りすることは珍しくなく、相手の隙を巧みについた行動でした」

 神戸山口組は2015年、弘道会が主導する6代目山口組に異をとなえて分裂。16年には神戸側の組員を銃殺したとして弘道会の組員が逮捕された。17年には神戸山口組から任侠山口組がさらに分裂して三つ巴の争いに発展。ただ、最大組織の分裂にしては、過去の抗争に比べて死者が少ない「静かな」戦いだった。

 変化が現れたのは今年に入ってからのこと。4月に山健組の幹部が刃物で瀕死の重傷を負わされ、8月には逆に弘道会の組員が銃撃される。そして今回の事件。背景にあるのは10月中旬に控えた弘道会出身の6代目山口組ナンバー2、髙山清司若頭(72)の出所だ。

“独眼竜”と恐れられる髙山若頭 ©共同通信社

 暴力団関係者が解説する。

「髙山の(若)頭はヤクザの中でも最も恐れられている大物。分裂は頭の入所中に起きた不始末なので、出所までに何らかの形をつけないと示しがつかない。一方、神戸側は神戸側で、入所中に少しでも優位に立っておかないと、出所後はさらに辛い局面が予想される。それが双方の行動に現れた」