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【南ア戦で奮闘】「歴史を変えるのは誰!?」 38歳トンプソンルークが4度目のラグビーW杯で見せ続けた“タックル”

「ブライトンの奇跡」から4年

2019/10/20
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 ラグビー日本代表が歴史を変えた瞬間――トンプソンルークは、いつも身体を張り続けていた。

 10月20日、はじめてW杯の決勝トーナメントに進んだ日本代表は、南アフリカ代表と激突。3-26で敗れた。

10月20日、南アフリカ戦 ©AFP/AFLO

 タックル、そしてタックル……。トンプソンは、いつもと変わらぬプレーで、チームの危機を救い、仲間を鼓舞し続けていた。

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 W杯開幕時に世界ランキング1位だったアイルランドを破った初戦でも、トンプソンは19回中、19回タックルを成功させた。決勝トーナメント初進出をかけたスコットランド戦でも、チーム最多となる18回のタックルでピンチを幾度となく救った。

10月13日、スコットランド戦 ©AFLO

前回W杯「ブライトンの奇跡」での“絶叫”

 前回W杯で南アフリカを破った「ブライトンの奇跡」もそうだ。3点ビハインドでむかえたロスタイム。最後のスクラムを組む直前、トンプソンが絶叫する。

「歴史を変えるのは誰!?」

 その叫びに奮い立ったフィフティーンは一丸となって、劇的な逆転トライを奪う。

 あの絶叫にどんな思いを込めたのか。

2015年9月19日、南アフリカを破った「ブライトンの奇跡」 ©AFP/AFLO

 トンプソン自身に聞いた経験がある。しかし彼は苦笑いをして、おなじみの関西弁で意外な答えを口にした。

「私は、めっちゃ興奮していましたね。だからあまり覚えていない。でも、エディ(エディ・ジョーンズ前日本代表ヘッドコーチ)の練習はめっちゃキツかった。勝つことが一番大事なことです。私は仲間を信じていた。だから完璧な試合をして、ロスタイムのチャンスでもトライをとれたんですね」