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史上初8K時代劇『帰郷』、東京国際映画祭で凱旋上映!

名優・仲代達矢、光る“老境”の演技

2019/11/21

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作家・藤沢周平氏の傑作短篇を、時代劇専門チャンネルが史上初の8K撮影で映像化した時代劇『帰郷』。この10月に開催されたフランス・カンヌの国際映像コンテンツ見本市「mipcom」では、アジアの作品として初めてのワールドプレミア上映が行われ、大きな感動を呼んだ。その話題作が日本に凱旋。東京国際映画祭での特別上映には多くの観客が詰めかけた。

 今年も世界各国から優れた作品が寄せられ、話題を呼んだ東京国際映画祭。そこで注目を集めたのが、時代劇『帰郷』の特別上映だった。フランス・カンヌで開催された世界最大級の国際映像コンテンツ見本市「mipcom」でワールドプレミア上映が行われ、日本ではこの東京国際映画祭での上映が初めてだ。

 主人公の年老いた渡世人・宇之吉を演じたのは、御年86歳の名優・仲代達矢さん。当日、観客席で作品を観た仲代さんは「思わず涙がこぼれた」と、上映後の舞台挨拶で語った。

粗末な着物に破れ笠。渡世人・宇之吉を演じる仲代さん。8K画像ではその細かい表情まで精緻に再現される
粗末な着物に破れ笠。渡世人・宇之吉を演じる仲代さん。8K画像ではその細かい表情まで精緻に再現される

 凄腕の渡世人として、幾多の修羅場をくぐりぬけてきた宇之吉も、今では年老い、重い病を患っている。死期が迫ってきていることを悟った宇之吉は、遠い昔、訳あって飛び出し、一度も帰ることのなかった故郷・木曾福島宿へと向かう。そこで宇之吉を待ち受けていたのは、思いがけない事実だった。

 原作は藤沢周平氏の短篇『帰郷』(文春文庫『又蔵の火』所収)。監督・脚本は、『北の国から』を手がけた杉田成道氏。杉田監督によれば、この作品のテーマは「贖罪」であり「祈り」だという。人生の晩年をむかえた渡世人・宇之吉が、これまで犯した自らの罪を背負いながら、血刀を振るい、手をあわせて死者を悼む。その“老い”の境地を、仲代達矢さんが見事に演じている。

東京国際映画祭での舞台挨拶。仲代さんを中心に、右から常盤貴子さん、北村一輝さん、田中美里さん
東京国際映画祭での舞台挨拶。仲代さんを中心に、右から常盤貴子さん、北村一輝さん、田中美里さん

「わたしもこれまでに何十本となく時代劇に出てきましたが、『帰郷』のような時代劇は初めてですね。自分でも感動しました」。この作品について、仲代さんにお話をうかがった。「70年近く役者をやってきて、自分が晩年であることは意識しています。だからこそ、年老いた渡世人・宇之吉に共感するんです。老境とはどういうものなのか、自然と自分と重なりあってくるんです」。今回、宇之吉という役は、“演じる”ということをあまり意識しなかったと仲代さんは言う。「現役を続けられるのも、そろそろ限界かな、と最近思っています。でも、舞台に立って、無名塾の若い連中が伸びてきているのを見ると、ついつい負けるものかと思うんです。もっと上手くなりたい。そういう欲っ気がまだあるんですよね」。

当日、仲代さんには東京国際映画祭から特別功労賞が授与された。常盤貴子さんから花束をうけとり満面の笑み
当日、仲代さんには東京国際映画祭から特別功労賞が授与された。常盤貴子さんから花束をうけとり満面の笑み

 ラストシーン、モーツアルトのレクイエムが流れる中、故郷を後にする宇之吉。御嶽山を目指すそのうしろ姿は、天性の俳優・仲代達矢の歩みと重なり合う。

INFORMATION

時代劇『帰郷』は2020年1月17日から全国劇場で先行上映。2月8日時代劇専門チャンネルにて放送。

時代劇専門チャンネルが制作した、オリジナル時代劇。仲代達矢演じる主人公の渡世人・宇之吉の若かりし頃を北村一輝、宇之吉が故郷の木曾福島で出会うおくみに常盤貴子、渡世人仲間は佐藤二朗と、豪華キャストの競演も見どころだ。監督・脚本は、国民的ドラマ「北の国から」を手がけた杉田成道。

[公式サイト]
https://www.jidaigeki.com/kikyo/

提供:時代劇専門チャンネル

photograph: Shiro Muramatsu
design: Shinobu Takahashi

出典元

安倍晋三「桜を見る会」「虚偽答弁」を許すな

2019年11月28日号

2019年11月21日 発売

定価440円(税込)