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キャッシュレスで泣いた業界、笑った業界――ATMと人員を削減できる「銀行」が一人勝ち?

2019/11/05

 10月1日からの消費増税に伴い導入された、キャッシュレス決済のポイント還元で各業界が揺れている。2%の割引対象となったコンビニではキャッシュレス決済比率が急激に高まっている。ファミリーマートでは「増税前の20%弱から増税後の6日間で25%程度まで上昇した」(澤田貴司社長)という。

キャッシュレス還元のポスター ©共同通信社

 経産省の推計によれば、キャッシュレス決済のポイント還元制度で1日平均10億円分が消費者に還元されているという。この調子でいけば2800億円の当初予算は来年3月末までに枯渇する見通しで、財務省は追加の予算措置を検討し始めた。

 一方、還元対象とならず売上減に直面する大規模事業者からは「消費増税が逆風になっている」(サイゼリヤ・堀埜一成社長)と怨嗟の声が挙がる。イオンの岡田元也社長は「めちゃくちゃなことが堂々と行われた。不公平であることに反省がない、政治が崩壊している」と痛烈に批判。ポイント還元は来年6月末までの時限措置だが「延長されないという保証はない」(ライフコーポレーション・岩崎高治社長)と身構えている。

 悲喜こもごもの小売業や外食産業だが、それを尻目にほくそ笑んでいる業界も。