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連載すごいアート

ゴッホの愚直なまでのひたむきさ 「人の心を動かすものとは何か?」

『ゴッホ展』――すごいアート

2019/11/01

 硬くたどたどしい線で描かれる農夫の姿。人物の表情は暗く重苦しいが、実直に種を蒔くその姿は切々と何かを訴える。ゴッホ、28歳の作品だ。

 彼は夢見ていた伝道師への道を断たれ、27歳にして画家を目指すことに。働く人、懸命に生きる人間の姿を描きたい、その心には使命感にも似た熱い想いが渦巻いていた。

 ゴッホ展では彼の画業をオランダ・ハーグ派、印象派からの影響を軸に見つめる。37歳で自死したゴッホの画家人生はわずか10年。独学で始め、ハーグ派、印象派との邂逅を経て彼は猛烈な勢いで独自のスタイルを築いていった。

 目玉はうねる筆致が力強い晩年の傑作《糸杉》や《薔薇》。しかし心に刻まれるのは、種まく農夫など初期の作品から滲み出るゴッホの愚直なまでのひたむきさだ。拙(つたな)くとも人の心を動かすものとは何か? 我々はそれを知るために絵を見、芸術作品と向き合っているのかもしれない。

INFORMATION

『ゴッホ展』
~2020年1月13日 上野の森美術館 03-5777-8600(ハローダイヤル)
2020年1月25日~3月29日 兵庫県立美術館 078-262-0901(代表)
https://go-go-gogh.jp/

出典元

法務大臣<河井克行>夫婦のウグイス嬢「違法買収」

2019年11月7日号

2019年10月31日 発売

定価440円(税込)

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