文春オンライン

八村塁効果で売り切れ続出の「白えびビーバー」 メーカーの27歳社長に聞くブームの裏側

北陸製菓・高崎憲親社長インタビュー

 NBAワシントン・ウィザーズ所属のバスケットボール選手・八村塁の快進撃が止まらない。6月に日本人選手として初めてドラフト1巡目で指名を受けると、10月23日(日本時間24日)の開幕戦ではスタメン出場。14得点10リバウンドの鮮烈デビューを果たした。

 コート外でも大きな話題となっている。その象徴的な出来事が、北陸地方で愛される揚げあられ「白えびビーバー」のブームだ。富山県出身の八村選手がチームメイトにお裾分けしたところ、その味が素晴らしいとSNSでまたたく間に拡散されたのだ。

 実は、「白えびビーバー」の製造元である北陸製菓(本社:石川県金沢市)は、昨年末に社長が交代したばかり。老舗メーカーの8代目となった高崎憲親社長(27)に話を聞いた。

ADVERTISEMENT

北陸製菓・高崎憲親社長

◆ ◆ ◆

一時は注文が殺到してサーバーダウンも

――八村塁選手の報道があってからしばらく経ちますが、まだブームは続いていますか。

高崎 まったく生産が間に合わないですね。7月中旬に反響があって、まずはECサイトに注文が殺到してサーバーダウンしてしまいました。いったんネット販売は中止したんですが、それまでにもう何千件という注文が入っていまして……。ようやく9月の頭になってから、そのときの受注分が捌けました。

――先ほど工場を見学してきましたが、他の製造ラインの方をビーバー担当に振り分けているのでしょうか。

高崎 事務所からヘルプに入ったりとか、人海戦術でできる範囲ではかなりギリギリですね。ただ、白えびビーバーで反響をいただいたんですけど、(主力商品である)ビスケットの生産を止めますというのは、違うという思いもありまして……。経営を長い目で見て、しっかりとした戦略のもとに、ビーバー増産のために新しい機械を導入する、人を募集するという手は打っています。