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「Aからは『今すぐ来いよ』と言われていたのですが、彼らは集団で喧嘩するイメージがあったのでリンチされるのが嫌で、翌日に“タイマン”ってかたちにうまくもって行きました。荒川区の仲間はAたちに比べて数も少ないので、少しでも敵が増えないためにも『お互いの区の中間地点である荒川の橋の下でやろう』と僕から送りました。

 事前に《武器なし、チクリなし、ギブをしたら終わり》のルールを決めました。LINEでは『怖くてちびるなよ?』『怖くて寝れないだろ』と罵りあい、Aからは『バックれたらゴチャマン(複数で喧嘩)だからな』とも言われました。僕はこれまで友達とちょっと調子に乗ってパリピなことをしてきただけで、喧嘩もしたことなかったので本当はドキドキでした」

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 翌日、Bは何度もイメージトレーニングをしながら、お気に入りのニットとスウェットに着替え、友人7名と共に河川敷へと向かったという。正午、荒川の西新井橋下の河川敷に着くと、すでにAが待っていた。土手にはAの仲間と思しき集団がたむろしていた。

「荒川の自分の仲間たちの倍以上いた印象でした。仲間たちもゴチャマンを覚悟していました。土手を降りてAのところに行くと、『よう、B~』って、余裕な感じでAから声をかけられました。土手からは『早くやれよ!』とか野次も飛んでいてボクシングのセコンドのように『こう殴れ』とか言っている人もいました。正直怖かったです」

Bの拳はAの鼻にヒット ©文藝春秋

 互いに持ち物検査や決めごとを確認した後、ギャラリーにスマホでの撮影、SNSへの投稿禁止を訴えた。改めて対峙すること数分、A側のギャラリーの一人が「スタート!」と声を上げた。

「掛け声と同時にAの拳が顔の前にあり、目の付近を殴られました。そこから頭は真っ白になりこちらもやり返しました。やる時はやりあって、距離をとって牽制する時は牽制し合って。30分くらいやっていました。もう痛いし疲れるし、『なんなんだ』ってときに土手のほうから警察が来ました」

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 決闘をみかけた近隣住民からの110番通報により警察官が駆けつけると決闘は中断になった。Aは警察官に取り押さえられた。