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2019/11/10

 今回の「即位の礼」にあって、国際社会における日本のパフォーマンスは29年前の比ではない。昨年12月には日本の主導で環太平洋パートナーシップ協定(TPP、日本など11カ国)を発効し、今年2月には日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)を発効した。日本は自ら主導して、保護主義に対抗する二つのメガ自由貿易協定(FTA)を持ったのだ。

メラニア夫人と雅子さま 宮内庁提供

両陛下はどんな日本を“象徴”していくのか?

 また先進民主主義の中級国家群の中で、日本はEUと共に人権、民主主義、自由貿易、多国間開放体制の価値の擁護者として存在感を示している。2年前、トランプ米大統領が登場した後のフォーリン・アフェアーズ誌(5・6月号)で、リベラルな国際秩序を理論化した米プリンストン大学のジョン・アイケンベリー教授は、リベラルな国際秩序のため各国指導者の奮起を促した中で、「多くが安倍晋三首相とメルケル独首相の肩にかかっている。リベラル国際秩序を支えるために重要な2人だ」と指摘した。この論文はメルケル首相が指導力を失う前で、現在に置き換えると安倍首相とマクロン仏大統領となるだろうか。

 もちろん国際社会への貢献という点で、日本はまだまだやるべきことがある。政府開発援助(ODA)の増額、国連平和維持活動(PKO)へのさらなる貢献はその典型だろう。しかし「国際社会が血を流して平和を守っている時、日本は自分の経済的利益だけを追求している」(ミッテラン元仏大統領)と批判された90年代初めごろまでの日本ではもはやない。

「国民祭典」で万歳三唱に応えられる両陛下 ©AFLO

 新天皇と皇后は共に外国暮らしを体験し、経験に裏付けられた豊かな国際感覚をもつ。両陛下の登場は、どこか日本の歩みと歩調があっているように感じるのは私だけだろうか。日本が国際社会の中に深く錨を下ろし、両陛下が真摯に国際親善と友好に取り組まれる時、日本は世界の中で新しい地位を獲得するように思われる。

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出典:「文藝春秋」11月号

 天皇皇后によるこれまでの国際親善を振り返り、令和の時代の「皇室外交」の「核」になるものは何かを分析した、ジャーナリストの西川恵氏による「雅子皇后の『おもてなし』」は「文藝春秋digial」に掲載されている。

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