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【大赤字ソフトバンク】Uber、Pepper、WeWork……孫社長はなぜ「ハズレ」を引くのか?

2019/11/14

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, テクノロジー, 経済, 社会, 企業, マネー

「ボロボロでございます。真っ赤っかの大赤字」

 11月6日に行われたソフトバンクグループの2019年7~9月期連結決算会見。最終損益が7001億円の赤字に転落した。孫正義社長は開口一番、冒頭の言葉で反省の弁を述べた。さらに「3カ月でこれだけの赤字を出したのは創業以来のこと。累計でも上期の利益を全部吹っ飛ばしてしまった」と、今回の赤字が同社にとって最大の危機であることを明かした。

2019年9月中間連結決算を発表する、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長 ©共同通信社

 赤字の要因は、投資先のオフィスシェア企業「WeWork」の経営悪化だ。ソフトバンクグループは、WeWorkに1兆円近い投資を行おうとしている。

 ここ最近、孫社長は「AI群戦略」と銘打って、AIのテクノロジーで成功しようとしている企業にしか出資しないというスタンスを持っていたはずだった。

 しかし、単なるオフィスシェア企業であるWeWorkが「AI群戦略」の中核に入っていたため、アナリストやメディアから「なんで、シェアオフィスがAIなのか」「孫社長はWeWorkを高く評価し過ぎている。投資額が異常だ」と総ツッコミを受けていた。

 ソフトバンクグループや、投資しているソフトバンク・ビジョン・ファンドのなかでも「シェアオフィスはAIなのか」と孫社長に冷静に注意できる人はいなかっただろう。

 孫社長自身、WeWorkの創業者による不祥事によって経営悪化に陥ったことについて、「私自身の投資判断がまずかった。大いに反省している。WeWork創業者のいい部分の価値を多く見すぎてしまったかもしれない。マイナス部分がたくさんあったが目をつぶってしまった」と投資判断が鈍っていたと反省していた。

米ニューヨークのWeWork。ソフトバンクは多額の投資をしている ©iStock.com

なぜ“千里眼”は狂ったのか?

 ただ、孫社長の「判断ミス」はWeWorkに限った話ではない。ここ数年の孫社長が熱を上げて、のめり込んでいる投資に限って「ハズレ」を引いている感がある。孫社長の千里眼がことごとくボヤけているのだ。

 例えば2016年の株主総会でのこと。孫社長は、2014年に米Uberに出資できるチャンスがあったにもかかわらず、手を出さなかったことを後悔していると打ち明けた。

 Uberは2012年には、アメリカでクルマで移動するには画期的なサービスとして定着していた。高額なタクシーではなく、気軽に一般ユーザーの自家用車をタクシーのようにスマホで見つけられるとあって、そのビジネスモデルは瞬く間に世界中に広がった。しかし、孫社長は出資を見送るという失態を犯したのだ。