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【正式発表】ヤフー・LINE統合で誕生する「巨大寡占メディア」に危険はないか

2019/11/18

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会, 経済, 企業, メディア

 11月18日、ヤフーとLINEは2020年10月までに経営統合することで基本合意したと正式発表した。

 両社の提携については多数の分析記事が出ているが、ポイントが「スマホネイティブ世代への対応」であることでは一致している。日本で圧倒的なシェアを持つメッセージングサービス/SNSであるLINEと、ポータルサイトとしてのブランドを持つヤフー。そして、決済サービスとして一人勝ちの様相を呈してきた「PayPay」。これらがひとつになれば、国内のスマートフォン向け市場に大きな影響力をもたらすだろう。

 一方で、そのことがより大きな責任や危険性をはらむことも認識しなくてはならない。ここでは特にその点を指摘しておきたいと思う。

「巨大寡占メディア」の誕生

ソフトバンクグループ創業者、孫正義氏 ©getty

 ヤフーにしろLINEにしろ、武器は「数」だ。多くの人が日常的に使う存在として認識されているため、入り口として圧倒的に有利である。逆にいえば、ヤフーはスマホ時代になって落ちてきた「入り口としての優位性の確保」のためにLINEを求めているのであり、LINEとしては「無料のメッセージングサービスの先にある入り口としての可能性」を求めてヤフーとの提携に至ったのだろう。

 その「入り口としての優位性」のわかりやすい例が、ヤフーとLINE、それぞれの「ニュースメディア」としての価値だ。

 ヤフーニュースは月間に150億ページビューを誇る、日本最大のニュースサイト。そして、LINE NEWSも月間ユニークユーザーが6000万人を超える巨大サービスだ。特にウェブメディアに寄稿したり、ウェブメディアの運営に携わったりしている人間であれば、この2つがどれほど大きな存在なのか痛いほどわかっているだろう。どちらも他社から購入したニュースの配信が軸だが、読まれやすい形で両社に取り上げられたニュース記事は恐ろしい勢いで閲覧されている。