昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

ヤフー・LINEの経営統合は「みずほ」と同じ過ちを繰り返す?

統合してもアマゾン・楽天に勝てない上に……

2019/11/21

 11月18日、ヤフーとLINEの統合が正式発表された。 

 ポータルサイトとして国内で圧倒的なシェアを誇るヤフーの月間利用者は約6700万人。一方、LINEはメッセージ・アプリとして圧倒的なシェアを誇り、月間利用者は約8200万人。両社の利用者を単純に足せば1億5000万人に迫る。 

ヤフー・LINE 経営統合を発表。左が川邊健太郎・Zホールディングス株式会社代表取締役社長CEO、右が出澤剛・LINE株式会社代表取締役社長CEO ©AFLO

「この膨大な数の利用者を囲い込み、キャッシュレス決済、ショッピングなどのあらゆるサービスを提供する。実現すれば、日本人のすべてが利用する超巨大IT企業が誕生します」(経済誌記者) 

 しかし利用者から見れば、もろ手を挙げて歓迎できる話ではない。 

「ヤフーは、新聞、雑誌などが配信するニュースの転載を主として、一見、様々なニュースが配信されているように見えますが、掲載するか否かの権限はヤフーが持っています。ヤフー・LINE連合がニュース配信市場を独占すれば情報の多様化が失われ、その気にさえなれば、何らかの世論を形成することも可能になるのです」(同) 

PayPay・LINEPay統合で手数料が高くなる?

 決済サービスの利用も同様だ。 

 現在、政府は国策としてキャッシュレス決済の普及を進め、とくに、QRコードを利用した決済サービスにIT企業、金融機関などが参入し、乱立している。 

 ソフトバンクグループであるヤフーにはPayPayがあり、LINEはLINE Payを立ち上げたが、各社乱立の下で過半数のシェアを握るに至っていない。 

「今は、各社がシェア獲得に向けて加盟店手数料を無料にするなどして攻勢をかけ、各社が赤字。一定のシェアを獲得できれば、手数料を課して利益化を図る目論見です。 

©iStock.com

 PayPayとLINE Payが統合するとシェアが50%を超え、その勢いでQRコード決済市場を独占すれば、加盟店手数料を高くすることも可能になり、その分は消費者に転嫁されてしまいます」(同) 

 今回の統合で、米国のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)と中国のBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)という超巨大IT企業を追撃できると沸き立つが、利用者から見れば1社独占は弊害が多い。GAFAの肥大化も、すでに同様の理由で問題視されている。