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元KARAク・ハラ 死の5日前“最後の単独インタビュー”で一瞬見せた「えっ?」という表情

2019/11/30
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意外な回答「じゃあ、HARAはどうですか?」

 フリーランスの私は、週刊文春の巻末連載「おいしい! 私の取り寄せ便」も担当していたのだが、各界の著名人にお気に入りの通販食品を紹介していただくその連載の、次の入稿分の登場者がまだ決まっていなかった。締め切りも迫っていたそんな中、チーフマネージャーの名刺の裏に書かれた所属タレント一覧にふと目をやると、それなりの知名度がありながら、(失礼だが)連日超多忙というわけではなさそうな、つまり、オファーを出せばさほど日を置かず取材に応じてくれそうな男性タレントの名前があるではないか。そこで私はチーフマネージャーにこちらの事情を話し、もしその男性タレントにお気に入りの取り寄せ品があった場合、できるだけ直近でインタビューできるか否かを尋ねてみたのだ。

 ところがチーフマネージャーから返ってきた言葉は、意外なものだった。

「じゃあ、HARAはどうですか?」

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©︎getty

 そんなことが可能なのか? いや、それ以前に元KARAなのだから、主なファンは若い女性のはず。週刊文春の中心読者である中年以上の男性に向けた「私の取り寄せ便」に登場するには、彼女はそぐわないのではないか?

「いえいえ、HARAのファンにはそういう層の方々も多いんですよ」

「おかえりー」としきりに声援を送るファンの姿

 確かにハイタッチを待っている列を見てみると、30代以上の男性の姿も珍しくない。それどころか思い出してみれば、トークショーで「おかえりー」などとしきりにハラさんへ声援を送っていたのは、言っては悪いがみんなオジサンだった。

 だとすれば渡りに船だ。しかもあのページに韓流女性アイドルが登場すれば、意外性もあって中年男性以外の読者の目も惹ける。

 しかしひとつ、懸念がある。

「だけど来週から全国ツアーが始まるんですよね? お忙しい中、時間を取っていただけるんですか?」

「なんとかします」

 この答えに、事務所の並々ならぬハラさんへの力の入れ具合と、大きな期待を感じた。読者の多い週刊文春で名前とコメントだけでもまず露出させることで、彼女の再始動をロケットスタートさせようとしているのだ。私はすぐに週刊文春編集部と連絡を取り、ハラさんへのオファーの承諾を得た。