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なぜ安倍首相は「韓国より低成長」を認めないか

というふうに、これまでの理論では「トンデモ」と思われることでも、試してみるとうまくいくことがあるかもしれない。3年くらい試してみて、うまくいかなければ別のものを試すという姿勢があれば、9年の任期があるのなら、3つの経済政策を試すことができる。

高学歴の人のほうが極端なスキーマに陥りやすい

政治の世界では、実際には、そんな大規模な実験は難しいだろうが、仕事や学習面では、スキーマから脱却することで、いろいろなことが試せる。

これまで学んできたことや、経験的に正しいと信じてきたことが、今の時代には合わなくなっていることは珍しいことではないだろう。そうした際に、スキーマに支配されていると、新たな考えを受け入れることは困難であるし、それを試す気にはならない。

問題は、高学歴の人のほうがこれまで学んできたことが正しいと思い込みやすく、スキーマにとらわれやすいことだ。また、これまで仕事でうまくやってこられた人ほど、これまでのやり方や経験則が正しいというスキーマにとらわれやすい。

いわば、これまで極めて賢かった人がいつの間にか頭を柔軟に働かせられない「バカ」になってしまうのだ。

本来賢い医師がなぜか「バカ」になってしまう理由

スキーマが強いと経験から学べないことも大きな問題だ。たとえば「東大卒は性格が悪い」というスキーマを持つ人が、たまたま飲み屋で出会った東大卒と意気投合しても、スキーマの働きによって「これは例外だ」という情報の処理の仕方をしてしまう。

その後、同じく東大卒の人に親切にされても、「俺は運がいい。例外に2件続いてあたった」と考えてしまう。その人が生まれてこの方東大卒に2人しか会ったことがなくても、そのようなスキーマは変わらないのだ。

医学の世界でも、「コレステロールが高めの人のほうが長生きする」というのは、世界中の疫学調査で明らかにされており、やや太め(BMI25前後)が長生きするというのも多くの国の疫学調査ですでに認められている。