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欠損/歯が抜けたあとの最善策は?

歯科医がホンネで答える歯の疑問 第4回

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Q2 歯周病で奥歯が抜けました。そのままにしておくのはダメ?

 重度歯周病により、いちばん奥の歯が1本抜けました。日常生活で不都合は感じませんが、インプラントなどを検討すべきでしょうか?

A 歯科医によって見解は分かれますが、歯周病専門医の立場からは、いちばん奥の歯なら抜けたままでもかまわない、というのがご質問への答えです。いちばん奥の歯は歯ブラシが届きにくいため、統計学的にも虫歯や歯周病になる確率が高い部位です。そこに細菌に対する抵抗力の弱いインプラントを入れたら、当然、インプラント周囲炎になるリスクは高まります。現在ご本人が不自由を感じていないのならなおのこと、何もする必要はないでしょう。

「自分の歯で何でも食べる」ためには、上下で噛み合う歯が10組20本必要です。そして、噛み合わせの不具合による歯の転位などを防ぐためには、犬歯の奥2本まで、つまり前歯の中心から5本目までが少なくとも必要です。この考え方からみても奥の歯は抜けたままでもかまわないのです。反対に、前歯の中心から5本目までが抜けて噛む機能に支障がある場合は、インプラントなどの治療を検討すべきだと言えます。

しみずともゆき/歯学博士。1963年生まれ。88年、日本歯科大学卒業。近代歯周病学の祖であるスウェーデン・イエテボリ大学のヤン・リンデ名誉教授と日本における歯周病学の第一人者・奥羽大学・岡本浩教授に師事。歯周病治療・歯周外科の症例数は1万症例以上に及ぶ。著書に『歯周病は1日で治せる!』(文藝春秋)。

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構成:今富夕起
イラスト:上楽 藍