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ヘッドをとらないのは「業界の“鉄の掟”」

 同園の広報担当者に着ぐるみ着脱のルールについて聞いたが、「緊急時はハンドサインが決められており、着ぐるみの着脱は認めている」と説明する。だが、A子さんやC子さんは「業界の“鉄の掟”がそうはさせない」と強く否定する。

「常識で考えたら着ぐるみをはずせばいいじゃんって思うかもしれませんが、変なプロ意識もあって外でヘッドをとるのは一回も見たことありませんし、暗黙で禁止されている。たとえ閉演後であっても飲食店のスタッフとかもいるし絶対脱げない。報道で(山口さんが倒れたのは)園内から控え室に向かうところだったと書かれてましたが、そこまでなんとか辿り着いたんだと思います。

 きつければ声をだせばいいじゃんとも言われます。たしかに、頑張れば声も出せるのですが、これも業界あるあるなんですけど、声を出すのは基本動作として駄目で、たとえバックヤードでもキャラになりきってジェスチャーをしてしまう。人命よりも夢を守るという考え方なんです、この業界は」(A子さん)

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オリンピックを前に変わらなければいけない

「着ぐるみは脱げないです。エンターテイメント部の人の前以外では同じパーク従業員の前でもNG。バックヤードの部屋に行くまではずっとキャラクターのままでいくのが鉄則。サインはキャラクターごと、担当者ごとに決めています。例えば1とか2とか3とかハンドサインがあり、ほんとに駄目なときは手をクロスします。

 でも本番はショーが終わってから撮影会があり、皆気力で乗り切っている。ショーの期間、救急セットを常に持ち歩いてるスタッフもいてそこに保冷剤とか大量に入っているのですが、これも着ぐるみの中の子は戻ってからになります。私はひらパーをやめて今はフリーランスでやっているんですが、業界はどこも同じ、着ぐるみ業界はオリンピックもありますし、今後変わらなければならないんだと思います」(C子さん)

 府警は熱中症の原因は不十分な熱放散環境下での行動とみており、業務上過失致死の疑いも視野に慎重に捜査を進めていくという。

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