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大塚家具がヤマダ電機傘下へ “買収”直前に久美子社長が送ったメールの中身

2019/12/13
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<日頃お世話になっている皆様へ>

 あるテレビ関係者に、こんなタイトルのメールが送られてきたのは11月下旬のこと。メールの送り主は、大塚久美子社長(51)だった。

 大手家電量販店のヤマダ電機が大塚家具を43億7400万円で子会社化すると発表。事実上、ヤマダに“買収”されることになったのは12月12日。同日、都内で会見に臨んだ久美子社長は、今回の提携について、

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「家電、家具を超え、新しい暮らしを提案します。暮らしをトータルに提案するゴールは同じ」

 などと前向きに語っていたが、その表情は終始暗かったという。

記者会見する大塚家具の大塚久美子社長(左)とヤマダ電機の山田昇会長=12日午後、東京都中央区 ©共同通信社

 今回、久美子社長のメールを独占入手した。そのメールには、こう綴られていたーー。

社長直々に営業メールが来た

<お陰様で今年、大塚家具は、創業五十周年を迎えました。これも一重にみなさまの御愛顧、御高配の賜物と心より感謝申し上げます>

「以前、何度かお会いしたことがある程度で、個人的にメールが送られてくるような間柄ではありませんでした。それなのに社長直々にメールが来たので驚いた。ただ、内容を読むと、年末のセールに来てくれ、というもの。業績が悪いのは知っていましたが、社長が個人名でメールを送るなんて、よほど切羽詰まっている状況なんだろうなと思いました」(前出・テレビ関係者)

久美子社長からのメール(著者提供)

 経済部デスクはこう話す。

「大塚家具とヤマダ電機は今年の2月から業務提携をしており、その状況をみて、今回の子会社化が決まった。会見で、ヤマダ電機の山田昇会長は『大塚家具の商品は粗利が高く、売り上げを少し伸ばせば黒字化は達成できる』などと語っていました。これは裏を返せば、久美子社長はここ数年の間で、“少しの売上”も伸ばせなかったことへのけん制ともとれる。

 山田会長は、第三者割当増資で引き受けた約43億円を『3年くらいで回収できれば』とも語っており、いかに久美子社長の経営手腕がお粗末かというのを世間に印象付ける会見でした」

 久美子氏が父・大塚勝久社長(当時)に代わって、代表取締役社長に就任したのは、2009年のこと。