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2020/01/01

時給152円アップ=年280万円超

 コンビニアルバイトの時給は最賃に近いことが知られている。常時スタッフ2人を配置したとき、時給が5円アップすると人件費は年額で約9万4000円増える。時給152円アップならば、年280万円超増える計算だ。

 そこで加盟店では、オーナー一家が働く時間を増やすなどして、人件費の抑制に努めてきた。その結果、経営不振店では人件費が高い深夜にオーナーが独り、店舗に立つことが増える。しかし、それにも肉体的な限界がある。

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 ここから分かるのは、コンビニの24時間営業というビジネスモデルが安価な労働力によって支えられてきたということだ。しかし、売上の頭打ちと、人件費高騰によって転換点を迎えている。

5万5000店のコンビニで従業員を奪い合う

 そもそも現在、コンビニバイトは最賃ではなかなか採用が難しくなっている。

 これまでコンビニはシフトの強要や、残業代の未払い、クリスマスケーキの買い取り強要、レジ違算金(売上額とレジ内のお金が合わないこと)の自腹補填など、労働法規違反が横行する「ブラックバイト」の代表格として報道されてきた。

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 そのうえ、「社会のインフラ」として、光熱費や税金の収納代行など、複雑な業務も多い。しかも年々、新サービスが追加されているため、コンビニの時給を「割に合わない」と捉える人は多い。

 そんな中、コンビニの店舗数は2010年代だけで1万店以上増え、約5万5000店。店舗間での従業員争奪戦は激化の一途をたどっている。

 ところが、経営不振店には経済的な余裕がないため、人を集めようにも大きく時給を上げることが難しい。

 本来は支払うべき週30時間以上働くスタッフの社会保険料を払っていない加盟店も少なくないと聞く。あるオーナーは「払いたいけど、私たちの生活が成り立たなくなる」と嘆いていた。