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2020/01/01

セブンは年間160億円を加盟店に還元することに

 時短営業にすれば、労働力は少なくて済む。ただし、経済的メリットは期待しづらい。24時間営業と引き換えに本部からもらっている支援金がなくなるからだ。チェーンや店舗の売り上げにもよるが、金額は月10万円ほど。「毎月計算できるお金がなくなるのは痛い」(東北のセブンオーナー)など、経営不振店が時短を躊躇する理由にもなっている。

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 政府方針によれば、今後数年で最賃はさらに100円近くアップする見込みだ。売上が頭打ちのままなら、加盟店はじり貧状態になる。一部ではすでに起きているオーナーの「過労死」やスタッフの搾取にも拍車がかかりかねない。

 今、本部に求められているのは、加盟店の利益をどう確保していくかということだ。従来のような売上を増やす商材やサービスの開発、省力化にとどまらない「省人化」システムの導入が必要になるが、すぐにどうにかなる問題ではない。

 そうすると、本部に納めるロイヤルティーの減額も検討すべきだろう。ただし、セブンは2017年の減額以来、年間160億円を加盟店に還元することになった。2020年予定の見直しではさらに年100億円がかかる。本部も容易に決断できるものではない。それならば、せめて経営が困難になった加盟店が離脱しやすい仕組みを考える必要がある。

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 現在、業界4位のミニストップでは、利益配分の仕組みそのものの見直しも検討されている。従来の粗利を分配する方式ではなく、経費を引いた後の最終利益を分配する形になるそうだ。

 人件費の上昇に終わりが見えない以上、最終的には、このように利益配分の仕組みを改め、加盟店が儲かるほど本部も儲かるというwin-winの形に近づけていくことが望まれる。

 そうでなければ、新規のオーナー希望者がいなくなり、コンビニ業界の維持が困難になるはずだ。

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