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かけそば200円、焼きそば200円……川崎の「ポツンと一軒そば」がハードボイルドすぎた――2019 BEST5

2020/01/09
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2019年(1月~11月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。地域部門の第1位は、こちら!(初公開日 2019年9月3日)。

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 川崎には立ち食いそば屋・大衆そば屋が数多くあり、しかも府中街道(川崎街道)沿いに東西に広く点在している。そんな川崎の中野島にあるポツンと一軒そば屋「星川製麺 彩」を紹介しよう。

「星川製麺 彩」は南武線中野島駅から歩いて行くのが近い。駅から南下し府中街道方向へ歩いて行く。一帯には梨畑が点在している。ちょうどこの時期、梨の直売が盛んだ。

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「星川製麺 彩」は中野島駅から府中街道にでて右折、二つ目の信号を右折してすぐ

 一本、路地に入れば小川や細い水路がたくさん巡っている。川崎の多摩川流域は、水が豊富だ。府中街道に出て、稲田堤方向へ歩いて少し行き右折すると、その先に「星川製麺 彩」の看板が見えてくる。駅から20分位。

中野島一帯は小川や水路が多く巡っている
川崎市には多くの大衆そば店がある。今回訪れたのは中野島駅から歩いて20分のポツンと一軒そば屋「星川製麺 彩」

 

もともとは明治30年創業の製麺所

 訪問したのは8月最後の週の平日、開店直後の11時半過ぎ。すでにお客さんが並んで注文しているところだった。タクシーの運転手、地元のおじさん、家族づれなど客層は多彩。時にはテレビ番組の取材なども入るそうだ。ソバット団の本橋隆司さんやうどんライターの井上こんさんも馴染みの店である。

「星川製麺 彩」は、社長の星川正光さんと姉の和子さんで切り盛りしている。「(有)星川製麺」の4代目にあたるそうだ。「(有)星川製麺」は明治30年に創業した古参の製麺所で、今でもそば・うどん・ラーメンを製麺し、横浜市の学校などに納品している。その自家製麺を食べたいという要望が多く、1998年頃、製麺工場の前で焼きそばを販売したのが「星川製麺 彩」の始まりだったそうだ。