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「排水管修繕で10年揉めた」“共同共有”のタワマンが抱える致命的な問題

2020年の論点100

2020/01/05

 近年の建設ラッシュで、東京都心部にタワーマンションが林立している。これから深刻になりそうなのが、分譲型集合住宅の建て替え問題だ。国土交通省によると、現在、全国の分譲マンション戸数は655万戸弱、入居者は1500万人を超える(2018年末現在)。うち築40年以上のものは、現在81万戸、20年後には367万戸に達する。これらの多くは建て替えの必要性に直面する。

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 近年は、入居者が数百から1000世帯に及ぶ大規模分譲マンションも多数あり、ここ数年でも東京都心部にタワーマンションが激増している。それらの物件を建て替える場合、数百から1000世帯の所有者がまったく同一の建て替えのタイミングと方法に合意しなければならない(5分の4以上の多数決が必要。ただし、市街地再開発事業では3分の2以上の多数決で建て替えが可能)。分譲マンションにはそれぞれの住民の専有部分(住居)のほかに共用部分(建物の躯体部分など)があるが、区分所有法では、共用部分はすべての住民の「共同所有」の財産となっている。

「共同共有」のタワマンが抱える致命的な問題

 問題は、誰が合意形成のリーダーシップをとるのか、ということである。マンションの管理会社は、「案」を住民に提示するが、あくまで意思決定をするのは住民で構成される管理組合なので、管理会社はアドバイスをするにとどまる。

 海外では、マンションの躯体などの共用部の所有権を管理会社(不動産開発業者)が所有し、住民は自己の専有部分の所有権だけを所有するという形態もあると聞く。この形態なら、躯体の所有者である管理会社が強い発言権を持つことになり、建て替えによって管理会社が利益を得ることにもなるので、管理会社がリーダーシップをとって合意形成すると期待できる。

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 しかし、日本の分譲マンションでは、管理会社は日々の管理と住民へのアドバイスをすることで手数料を得ているだけなので、建て替えの合意ができてもできなくても、管理会社の懐は痛まない。建て替えを含めたマンション管理は、あくまで管理会社ではなく住民の共同責任であるというのが日本の区分所有法の建て前なのだ。

 つまり、住民の自由な意思に基づく自発的な「自治」でマンションは十全に管理できる、という性善説を、日本の法律は前提としているのである。そして、住民は管理組合を組織し、管理組合が大規模修繕や建て替えについて総会を開いて意思決定を行うことになっている。