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東大合格者数“38年連続1位”の開成が「高校入試」を廃止しないワケ

ほかの中高一貫校とは真逆の動き

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東大最強の開成が「高校入試」を廃止しないワケ

首都圏の中高一貫校で「高校募集」を停止する動きが相次いでいる。6年間の「完全中高一貫化」が進行する中、東大合格者数38年連続1位の開成は、高校入試を続けている。中学受験塾代表の矢野耕平氏は「“新高”と呼ばれる高校入学組の存在が、“旧高”と呼ばれる中学入学組の刺激になっている」という――。

撮影=末木 佐知

高校入試廃止、完全中高一貫化が進行するワケ

2019年6月30日付の日本経済新聞の朝刊は次のように報じた。

東京都内の有力中高一貫校が相次ぎ高校募集を停止する。本郷高校(豊島区)は2020年度入学、豊島岡女子学園(同)は2021年度入学を最後に高校入試を取りやめる。都立中高一貫校5校も順次、高校の生徒募集を停止する。高校選びの選択肢が狭まり、中学受験を検討する家庭がさらに増えそうだ。

この本郷や豊島岡女子に加え、いま全国でトップクラスの大学進学実績を残す共学校の渋谷教育学園幕張(千葉県千葉市)も時期は未定だが、完全中高一貫校化を検討しているという。千葉県では2017年度より理系に強い共学進学校として知られる東邦大学付属東邦(千葉県習志野市)が高校募集を停止したばかりだ。

男子御三家、女子御三家の中で唯一高校入試を実施する「開成」

このように昨今は「完全中高一貫化」が進行している。

中学入学当初から多くの生徒を受け入れたほうが経営的に安定するのかもしれない。あるいは、完全中高一貫したほうがその学校の指導カリキュラムが進めやすくなるのかもしれない。

ちょっと面白いのは、こうした時流の中で、あの天下の開成は今も高校受験を実施していることだ。中学受験の「男子御三家」の麻布・武蔵・開成、「女子御三家」の桜蔭・女子学院・雙葉の6校を見てみると、開成を除く5校は高校入試を実施していない。

開成は東京大学合格者数ナンバーワンを誇る進学校の頂点に輝く学校だ。1982年以来、実に38年にわたってナンバーワンの座に君臨するというのだからすごい。なお、2019年度の東大合格者数は186人(過年度生を含む)。開成の中学募集定員は300人、高校募集定員は100人である。