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日経記者が厚労省のゴミ置場で書類あさり なぜ“邪道”な手口に手を染めたのか?

 12月初旬の早朝、厚生労働省地下のゴミ集積場で、書類を漁る男の姿があった。通りがかった職員がとがめると、男は素性を明かした。

 なんと日本経済新聞経済部の記者だった。

「30代の財務省記者クラブ(財研)のA記者です。来年度予算案を巡り各省庁が攻防を続ける中、その取材を統括するサブキャップでした。12月5日の経済財政諮問会議で麻生太郎財務相が『来年度予算においては、診療報酬が大きな論点となる』と述べたように、厚労省保険局が担当の診療報酬の改定数値が注目されていた。A記者は、人の少ない時間帯を狙い、その内部資料がないか探していたようです」(日経関係者)

厚生労働省

 あえなく“御用”となって特ダネは日の目をみなかった。

「厚労省はA記者の行動を問題視し、厚労省担当キャップに抗議した。すぐに本社に報告され、藤井一明経済部長は休暇を返上して厚労省を訪れ、広報室長に平謝り。A記者は現場取材から外され、本社でデスク業務をしています」(同前)

 財務省内に陣取る財研といえば、経済記者の花形部署だ。

「A記者は大阪経済部でパナソニックを担当。東京本社に来てからは、経済部を代表した労組役員に。金融庁担当を経て今のポジションにおり、日経記者の王道を歩んできました」(同前)