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飲み会が苦手すぎて会社を辞めた僕が「やっぱり必要かもしれない」と思う理由

2020年の論点100

2020/01/06

「飲みニケーション」とか「社員旅行」みたいな言葉を聞かなくなった。僕が新卒で就職したのがもう10年近くも前だから当然なのだけれど、段々世の中は変わっている。会社組織の中における「茶番」みたいなものを減らす方向に向かっているし、世の中に余裕がなくなってきたなという気がする。

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「みんなで上手にワイワイする」という茶番の強制

 こういった組織内の「茶番」が減ったのはじつのところ望ましい側面もある。僕がかつて就職した職場には「1年目は新年会でAKBを踊る」なんていうどうしようもない風習があって、いささか苦労させられたし、飲み会の翌朝の挨拶回りから休日のゴミ拾いボランティアへの強制参加まで、会社の因習みたいなものを僕はとても憎んでいた。そういう人はやっぱり多かったんだろう。会社の飲み会が、楽しくてしかたないという人はそうそういない。僕もそういうのが嫌でしかたがなかったから新卒で入り込んだ職場を辞めた。

 僕は発達障害の人に向けた社会サバイブガイドみたいな本を書いたのだけれど、そのなかで「茶番をうまくやろう」ということにけっこう大きな紙幅を割いた。これはあくまでも傾向的にということなのだけれど、発達障害のある人は空気を読むのがうまくない。飲み会で上手に振舞えないし、組織のなかで浮いてしまうことが多々ある。いわゆる学校生活の延長みたいな「みんなで上手にワイワイする」とでもいうべき「茶番」はある種の社会的な障壁と言えたし、それが減ってきたのは悪いことではない。付き合い残業が減るのはいいことだ。

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