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単なる反韓・嫌韓本ではなく、現在の韓国を憂えて記した“憂国の書”――石破茂「反日種族主義」を語る

「反日種族主義」大論争#2

2019/12/30

 竹島、徴用工や慰安婦問題など韓国で通説となっている歴史認識を検証した『反日種族主義』。今夏刊行された韓国では曺国前法相が批判するなど物議を醸し11万部超、11月発売の日本版は36万部に。日韓で賛否両論、波紋を呼ぶ本書を識者が論じる。

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石破茂氏(衆議院議員)

 今年の秋口のことです。日韓両国の要人が集まるフォーラムでスピーチを頼まれました。そこで私は「かつて韓国でインフラを整備したり、教育体制を整えたりする日本人がいたからといって、併合時代を正当化してはならない」と話そうと考えていました。

 しかし主催者側にそれを伝えると、「たとえ『併合時代を正当化してはいけない』という趣旨でも、途中で怒って席を立つ方もいるかもしれないので、止めてください」と言われました。韓国にとって植民地時代はデリケートな問題なのだと改めて感じた瞬間でした。

 本書には発売当初から興味がありました。韓国内で若者を中心に読まれる一方、曺国前法相が「吐き気がする」と述べたように、賛否両論が巻き起こっていることは知っていた。また著者の李栄薫氏が同様の主張をした際、迫害を受けたことも聞いていました。

韓国版(左)日本版は文藝春秋刊(右)

 その上で、通読して感じたのは、単なる反韓・嫌韓本ではなく、著者らが現在の韓国を憂えて記した“憂国の書”だということです。

 韓国で通説とされている歴史認識には誤りが多くあります。例えば徴用工。彼らは韓国では強制的に動員されて給料も満足に与えられなかった存在であるとされてきましたが、戦争末期までは自発的な就労が中心で、給料も高かった。竹島についても、韓国が領有の根拠としている安龍福の証言の信憑性は疑わしいことが判明しています。