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2019/12/30

韓国の歴史を中立公正に学ぶことが必要

 李氏は本書で、学問を職業とする研究者として、国民感情に配慮して誤った主張に固執したり、これを擁護することは許されないと述べています。そのような姿勢は結果的に国益を損ねてしまう、と。おそらく今後、韓国国内で、歴史に関する議論はより活発化して行くでしょう。本書を読んだ韓国の人々は自分たちが学んできた通説には誤りが多かったと知るでしょう。

本書を「吐き気がする」と批判した曺国前法相

 ただ日本人、特に政治家は本書を読んで、慰安婦や徴用工など「自分たちの主張が正しかったのだ」と鬼の首を獲ったかのように喜んでいいわけではありません。日本と韓国は永久に隣国であり、大事なパートナーです。彼らがなぜ歴史的事実と異なる不可思議な主張をしてきたのか、理由を歴史に沿って考えねばなりません。社会学者の小室直樹氏は『韓国の悲劇』で「日本人の韓国に対する文化的忘恩こそ、韓国人の対日的反感の淵源である」と指摘しています。日本人は韓国の歴史に対して、知らないことが多すぎたのも事実です。その意味で『反日種族主義』は必読の書と言えます。

 日本もこれを機に、韓国の歴史を、特定の史観に偏ることなく、中立公正に学ぶことが必要でしょう。それこそが悪化の一途を辿っている日韓関係を、改善させる一歩になるのです。

反日種族主義 日韓危機の根源

李 栄薫

文藝春秋

2019年11月14日 発売

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