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 保守政権の李明博・朴槿恵両政権の不正捜査を指揮した尹氏は、「積弊清算」を叫ぶ文政権に功績を評価され、尹氏は検事総長の任期制度の導入(1988年)以来、高検トップを経験せずに就任した初の検事総長に抜擢された。異例の人事だった。

「社会に残る不正腐敗の根を抜き取り、検察改革を遂行すると期待している」

 検事総長指名の際には大統領府からこんな表現で歓迎され、文大統領の期待を背負った尹氏。皮肉なことに、文大統領は、自ら起用した曺氏という「側近」に足を引っ張られ、尹氏という自ら抜擢した「切り札」に足元をすくわれようとしているのだ。

検察はまだカードを持っている

中国・成都で安倍首相と首脳会談に臨む文在寅大統領 ©AFLO

 曺氏には、検察が狙う、もう一つの疑惑がある。昨年6月の南東部、蔚山市長選挙への介入疑惑だ。

 当時の蔚山市長で、保守系の金起炫(キム・ギヒョン)氏の側近らが業者との不正疑惑で選挙3カ月前に警察の捜索を受け、選挙1カ月前に送検された。その結果、金氏は直後の市長選で落選し、左派で文大統領と親交がある与党系の宋哲鎬(ソン・チョルホ)氏が当選した。落選した金氏の側近らには今年3月、「嫌疑なし」との判断が出されたことから、政権側の何らかの関与があったのではないかとの疑惑が持たれている。

 曺氏は、当選した宋氏が2012年の国会議員選挙に出馬した際の後援会長だ。検察は蔚山市長選介入疑惑の捜査も進めており、地元警察も関与しているとみて捜査にしている。任期2年の尹氏が残る1年半、自ら検察トップから降りる可能性はなさそうだ。

 不在の隙を突き、検察による曺氏の逮捕状請求を許した文大統領は24日、中国・成都で安倍晋三首相との1年3カ月ぶりの日韓首脳会談を終えるや、真っ先に帰国の途についた。北朝鮮問題や日本との関係改善など外交的な課題を抱える文大統領だが、韓国国内でも課題が山積している。

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