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停滞が続く韓国経済 「今度は中国と競合か」 文在寅政権の憂鬱

「5G」など明るい兆しもあるが……

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「今度は中国と競合」停滞が続く韓国経済の憂鬱

韓国経済を支えてきた輸出の落ち込みは深刻

足元で輸出依存度の高い韓国経済は不安定だ。米中の貿易交渉で事実上、第1弾の協定が成立したものの、今後の展開は不透明な部分もある。そうした状況下、韓国経済の下振れを警戒する経済専門家は多い。

景気下振れの要因として、韓国経済を支えてきた輸出の落ち込みは軽視できない。中国経済の減速、米中の貿易摩擦などによる世界的なサプライチェーンの混乱などを受けて韓国の輸出が減少し、個人消費を中心に内需も冷え込みつつある。

ただ、わずかながら明るさも見え始めている。世界の半導体市況には反転の兆しが見えつつある。その背景には、世界各国で5G通信の本格的なサービスが始まりつつあることがある。目先、5G関連の需要は韓国経済にとって部分的な下支えの要因となる可能性がある。

写真=AFP/時事通信フォト 今年10月に発売されたサムスン電子の折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold 5G」。閉じた状態は4.6型、開くと7.3型のディスプレイになる。日本では5G非対応の機種が約24万円で販売中。 - 写真=AFP/時事通信フォト

問題は、その持続性だ。韓国にとって最大の輸出先である中国は「中国製造2025」の下でIT先端分野の競争力向上に取り組んでいる。IT先端分野における米中の“覇権国争い”も当面続くだろう。また、文在寅(ムン・ジェイン)政権下、労働争議が激化するなど経済環境も悪化傾向にあるとみられる。外需依存度が高く内需の厚みを欠く韓国経済が自律的な安定を目指すことは容易ではないだろう。

韓国から海外に拠点を移す企業も増えている

足元、韓国経済は不安定ながらも、経済全体が大きく混乱する展開を何とか回避している状態にある。

2018年以降、韓国経済は、外部環境の悪化によって下り坂を転がり落ちるような勢いで減速し、それが内需の低迷につながったとみられる。特に、韓国にとって最大の輸出先である中国経済が成長の限界を迎えたことの影響は大きかった。

中国では、過剰な生産能力や債務問題が深刻化し、経済成長が限界を迎えている。共産党政権は減税や公共事業によって景気を支えようとしているが、目立った効果は出ていない。また、中国は生産年齢人口の減少を迎え、労働コストが上昇している。