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箱根駅伝 青学時代が終わり、次に来るのは「3強プラス1」の時代か

2020年の論点100

2019/12/31

 前回、2019年の箱根駅伝第95回大会ではつくづく3強の壁を感じました。往路は東洋大学、復路は青山学院大学、総合は東海大学が初優勝を飾り、いずれもこれまでの記録更新で、テレビ視聴率も史上最高でした。一般の関心こそ正直なバロメーターで、それだけ白熱のレースだったということです。

 3校が抜きん出たきっかけは、青学大の総合4連覇でしょう。東洋大・酒井俊幸、東海大・両角速の若い監督が、青学大の原晋監督がやった改革を自分たちなりに消化し、箱根駅伝への取り組み姿勢を変えた成果だと思います。当たり前の話ですが、大学生は4年経ったら出て行きます。そこがプロや実業団との違いで、常に戦力源を維持し、強化しなければいけない。大学側の理解なしに、優勝争いを続けることは不可能です。具体的には、新入生の陸上長距離の推薦枠、夏合宿などの練習環境を整える財政援助など、学校ぐるみで箱根駅伝を支えてくれるかどうか。伝統に胡坐(あぐら)をかいていては、有力選手は来ません。そうした体制作りを意識し、整えようとしているのが青学大、東洋大、東海大の3強ということです。

2019年に初の総合優勝を飾った東海大 ©AFLO

「そこまで組」「何とかシード権」「優勝争い」の三つの層

 いまの箱根路は全出場校を三つの層に分けると分かり易いでしょう。三層構造の元をただせば、2003年の79回大会で、その年に参加校が20チームになりました。19校プラス関東学連選抜。それが91回大会から20校プラス関東学生連合になりました。青学大の初優勝の年です。箱根駅伝はハーフマラソンの距離を10区間走ります。私たちの時代は実業団経験者も大学に流れてきましたが、いまそれはありません。きっちり10人そろえるのは至難の業でも、予選会で10位以内に入るのは、それほど高い目標ではない。〈予選会通過までなら〉というチームが出てきたのが、参加20校になってからのことです。

 この〈そこまで組〉を11位から20位までとすると、10位内のチームにも格差が生じています。優勝争いをやろうじゃないかというチームと一線を画し、先頭集団は無理でも、〈何とかシード権〉の生き残りに賭ける組です。もちろん、どのチームも勝つことを目標に一生懸命ですからあくまで野次馬的な観察ですが、〈予選会〉〈シード権〉〈優勝争い〉、大雑把にそういう構造が目安ということです。