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 財津の体調がよくなってきた矢先の今秋、妻のミドリさん(89)が怪我に見舞われた。

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スロープにしておけばよかったと後悔

 ママ(ミドリさん)が家の中で転んだんですよ。和室で昼寝していて、フローリングの居間へ来ようとしたときにドーンと倒れた。「ママ! 頭打ったか?」って。慌てたね。頭は打たなかったけど、右手首を骨折してしまったんです。

 原因は、和室と居間の間にあるちょっとした段差だった。高齢者は気を付けないといけないねえ。わずかな段差でも、つまずくと危険。ママも家の中だから油断したんだと思う。

 今は段差をテープで埋めたけど、彼女は怖がるようになってしまった。玄関を出ると階段があるんだけど、それも降りられない。たった数段なんだけどね。

「夕陽がキレイだから、一緒に外へ行って見ようよ」って誘ってみるんだけど、「窓から見えるから」って言って、出てくれないの。キビシ〜ッ(笑)。スロープにしておけばよかったと、今さらながら後悔している。

 区の職員に相談したら、スロープを作るにはもう少しスペースが必要と言われてね。本格的にやるのは費用もかかるし、迷ってる。

財津一郎とミドリ夫人

転倒しやすいスリッパは危ない

 僕は今、要介護2なんだけど、介護保険を利用して月に320円で車椅子をレンタルし、使っている。でも、最近はママが僕の車椅子にかじりついて離れやしない(笑)。家の中でも車椅子が多い。

 先日、ママの要介護認定の調査をしてもらって、結果を待っている状態。判定が出たら、彼女の介護保険を使って借りることも考えています。

 皆さんに気を付けて欲しいのはスリッパ。転倒したときママはスリッパを履いてたんだけど、フローリングだと滑って危ない。それで介護シューズを買ったけど、それも靴下のようなタイプで底がツルツルだから、ママは怖がってさ。やっぱり家の中では滑らない履き物を使ったほうがいいよ。

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 高齢者の事故を防ぐ手立てについて、暮らし・介護ジャーナリストの太田差惠子氏が解説する。

「高齢者の事故発生場所は、7割以上が住宅内といわれます。自宅ということでつい安心して、転倒するケースが多い。特にスリッパは危ない。

 段差の解消やスロープの設置は、介護保険で1人20万円まで、一般的な収入ならその9割分が支給されます。財津さんの場合、奥様の要介護認定が下りたら、お二人で40万円まで、自己負担4万円で住宅改修できる。まずはケアマネジャーに相談するといいでしょう。

 あと、お2人一緒にデイサービスなどを利用すれば、介護のプロが家から出る手伝いをしてくれますし、気分転換にもなります」

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