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和田アキ子、北島三郎、TOKIO……紅白常連歌手たちはなぜ“姿を消した”のか?

2019/12/31
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 今年で第70回を迎えたNHKの紅白歌合戦。11月14日に出場歌手が決まったあとも、RADWIMPSが白組に加わり、さらに竹内まりや、YOSHIKI feat.KISS〈YOSHIKISS〉、ビートたけしと特別企画での出場者もあいついで発表された。だが、特別枠をのぞくと、出場者は全体的に若返った印象を抱く。今年の出場歌手42組のうち50歳以上は、紅組では天童よしみ(65歳)、石川さゆり(61歳)、松田聖子(57歳)、坂本冬美(52歳)の4人、白組では五木ひろし(71歳)、郷ひろみ(64歳)、福山雅治(50歳)の3人にとどまった。

女性歌手史上最多42回目の紅白を迎える石川さゆり ©文藝春秋

20回以上の“常連組”が半分になったワケ

 出場回数で見ると、出場回数が20を超えるのは、今年で49回と単独で歴代2位となった五木ひろしを筆頭に、42回の石川さゆり、32回の郷ひろみ、31回の坂本冬美、24回の天童よしみ、23回の松田聖子、そして2000年以来20回連続の出場となる氷川きよしの7人である。いまから4年前、2015年の紅白では20回以上の出場者(特別出演をのぞく)が12組いたから、半分近く減ったことになる。ちなみにこの12組のうち、今年の顔ぶれにないのは、紅組では和田アキ子(39回=2015年の時点での出場回数、以下同)、伍代夏子(22回)、藤あや子(21回)、白組では森進一(48回)、細川たかし(39回)、SMAP(23回)、TOKIO(22回)である。

長瀬智也。TOKIOは山口達也の不祥事、脱退により2018年から音楽活動を休止している ©文藝春秋

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 あらためて確認してみると、これら常連歌手のうちTOKIO以外は翌年、2016年には選から漏れたことがわかる。今年へとつながる紅白の若返り化の画期となったのが、まさにこの年であった。森進一は、どこかでけじめをつけねばならないと数年間考えた末、歌手生活50周年の区切りを迎えた前年の出場をもって紅白から退いていた。SMAPもこの年、紅白に出場しないまま解散する。さらに出場40回の大台に乗るはずだった和田アキ子は選ばれず、波紋を呼んだ。一方、同じく出場すれば40回となった細川たかしは、世代交代が必要だとして事前に出場辞退を表明していた。和田もまた、そろそろ世代交代をしないといけないと思いつつも、選から漏れたのは《正直ショックでした》とのちに明かしている(※1)。

2015年までに48回出場している森進一 ©文藝春秋

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