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大ヒット中! 紅白初出場・LiSAが主題歌を歌う「鬼滅の刃」のスゴさが分かる3つのポイント

2019/12/31
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 年末になると、さまざまな“今年の顔”が発表される。なかでもYahoo!検索大賞アニメ部門1位、グーグル検索ランキング総合トップ10入りと、民意が反映されやすい検索系ランキングの上位に食い込んだのが『鬼滅の刃』(作:吾峠呼世晴)だ。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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ufotableインスタグラムより


 2016年に「週刊少年ジャンプ」にて連載を開始した本作は、今年4月~9月に放送されたufotable制作のテレビアニメが爆発的ヒットとなり、主題歌『紅蓮華』を担当したLiSAは『紅白』初出場へ。その勢いはもともと人気のあった原作にも及び、12月4日発売の18巻で電子版を含むシリーズ累計発行部数は2500万部越え。新刊発売直後に売り切れ→重版→既刊売り切れ→既刊重版をこまめに繰り返し、市場に飢餓感を生みだしている。

 今年発売された2冊のスピンオフ小説(『鬼滅の刃 しあわせの花』『鬼滅の刃 片羽の蝶』ともに矢島綾:著)も、活字不況といわれる時代に累計70万部を突破した。そこで、今さら人に聞けないその内容と魅力を一挙紹介。年末年始はぜひ子供や親せきと『鬼滅の刃』で盛り上がってほしい。 

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主題歌を歌うLiSA氏 ©Getty Images

示唆に富んだ王道ストーリーが魅力的

 時は大正。主人公は心優しい少年・竈門炭治郎。ある日、町で炭を売った炭治郎が家に戻ると、家族は殺され、妹の禰豆子は鬼になっていた。

 鬼の主食は人間で、身体能力が高く、息の根を止めるには太陽の光をあてるか日輪刀と呼ばれる特別な刀で頸を落とすしかない。しかし、禰豆子は他の鬼とは違って人を傷つけない。そこで、妹を人間に戻し、宿敵・鬼舞辻無惨を討つために“鬼殺隊”入りした炭治郎は、同期や鬼殺隊のなかで最も位の高い“柱”のメンバーと共に異能の鬼と戦う。太陽にあたらぬよう木箱に入った妹を背負ったままで――。 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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 昨今は少年誌でも複雑に入り組んだ世界観の作品が多いが、本作は主人公が何のために何を討つかが明確な王道ストーリーになっており、展開もスピーディー。若年層でもとっつきやすいよう間口は広いが、柱ひとりひとりが抱える苦悩や鬼が人間だった頃の回想シーンには、現代社会が抱える諸問題や普遍的な家族の問題が内包されており、示唆に富む。「鬼は虚しい生き物だ。悲しい生き物だ」など刺さるセリフも多く、読めば大人も抉られる。

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