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1歳上の妻も検事だった! 秋元議員摘発の”ド派手”特捜部長は検事総長になれるのか

2019/12/30

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会

 超人、あるいは鉄人というニックネームが似合うだろう。2019年12月25日。街がクリスマスムードに包まれる中、急転直下、カジノを含む統合型リゾート(IR)事業を巡る贈収賄事件で現職衆院議員の秋元司容疑者を逮捕した東京地検特捜部のトップのことだ。その名を森本宏氏(52)という。

下呂市出身、名古屋大卒の森本宏氏 ©時事通信社

「司法取引」という武器で新聞1面に特捜が戻ってきた

 森本氏が特捜部長に就任したのは17年9月。彼をよく知る法曹界では「ついにエース中のエースが登場か」と色めき立った。特捜検察は、10年に発覚した「大阪地検特捜部証拠改ざん事件」という不祥事で決定的な打撃を受け、国民の「検察不信」により、大阪のみならず東京の特捜部も自重を強いられてきた。一時はほとんど事件らしい事件ができず、その一方で検察改革が叫ばれ、取り調べの録音・録画(可視化)が制度化されるなど、捜査機関に「不利」な流れがある中で、どうにか「司法取引」という新たな武器を手にした。

東京地検特捜部の家宅捜索で段ボールが運び込まれる自民党の秋元司衆院議員の地元事務所 ©文藝春秋

 その新たな武器を活用し、昨年、日産自動車会長だったカルロス・ゴーン氏を逮捕したのが「森本特捜部」だ。この事件は世界的な反響を呼んだ。森本氏は特捜部長就任後、他にも、スーパーゼネコン4社を起訴した「リニア新幹線談合事件」、スーパーコンピューター開発者を起訴した「スパコン詐欺事件」、私立大学トップや文部科学省局長を起訴した「文科省汚職事件」と、大きな注目を浴びる案件を次々と手がけてきた。

 新聞の1面に東京地検特捜部の事件が頻繁に躍るのは、いつ以来だろうか。森本特捜部は、明らかに「強い特捜検察の復活」を印象づけている。おそらく、過去のロッキード事件、リクルート事件やライブドア事件など、特捜検察が手がけた重要事件に引けを取らない、あるいはそれらを超えるインパクトを放っている。