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皇室の”二重権威”とは何なのか?「美智子さまの精神的ストレスの原因」と上皇職幹部が公言

2020/01/02

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会

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 宮内庁は昨年12月13日、上皇后さまが9月中旬以降、血液が混じった嘔吐を複数回されたり、体重が減少したりするなど体調不良が続いていると明らかにした。原因としては、精神的ストレスなどが考えられるとした。

乳がんの摘出手術を終えた上皇后さまは9月10日、東大病院を退院された ©JMPA

上皇后さまだけが和装だった件

 宮内庁担当記者が語る。

「上皇・上皇后両陛下をお支えする宮内庁上皇職の幹部たちは、皇室の“二重権威”を指摘する一部の週刊誌報道が原因だと言っています。天皇・皇后両陛下が即位関連の儀式の合間に、来日した各国の王族を赤坂御所に招いて催された茶会に上皇・上皇后両陛下が出席された際、上皇后さまだけが和装だったことについて、女性皇族は皇后を基準に洋装か和装に統一するという不文律があることから目立ってしまい、二重権威の一例として週刊誌で紹介されてしまったからです。

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 ほかにも宮内庁の天下り先でもある公益財団法人菊葉文化協会が発行する今年の皇室カレンダーで、天皇・皇后両陛下よりも先に上皇・上皇后両陛下が登場しているのは、協会の理事長を務める元宮内庁長官の羽毛田(信吾)さんが天皇陛下より、側近としてお仕えした上皇陛下の存在を“優先的”に考えている証左だとして、二重権威の問題が生じているのではないかと疑義を唱える雑誌報道があり、上皇職としては、上皇后さまがそうした報道に心を痛められていると言いたいわけです」

2019年1月2日、平成最後の一般参賀でお手振りをされた現在の上皇・上皇后 ©JMPA

 そもそも皇室の二重権威とは何か。平安後期に白河天皇が皇位を後継に譲った後も政治の実権を握った「院政」が始まりだ。天皇がいながら上皇が実権を握る院政期は、鎌倉幕府が開かれて武家に政治の実権が移るまで続いた。

 上皇自体は約200年前、江戸末期の光格天皇が譲位して上皇になったのを最後にいまの上皇陛下まで存在していなかったが、徳川家全盛の時代の上皇と天皇は、二重権威と呼べるほどの権力者ではなかったという考え方が歴史上一般的だ。元宮内庁幹部が話をする。