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殺害されたイランの“国民的英雄”ソレイマニが、トランプに遺した不気味なメッセージ

2020/01/12

 自ら引き起こした大混乱に驚愕しているのはトランプ大統領かもしれない。

 1月3日、バグダッド国際空港で、イランのイスラム革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官(62)が米軍のドローン空爆によって殺害された。

3人の息子、2人の娘がいる ©共同通信社

 イラン政府は、ソレイマニ氏の殺害を国際テロ行為だと激しく糾弾。すぐさま「厳しい軍事的な復讐」を誓った。ソレイマニ氏の棺が到着したイラン南西部アフワズでは喪に服す数万人が行進。その映像からも単なる司令官にとどまらないソレイマニ氏の特異なカリスマ性がうかがえる。

「米国務省の高官は、記者に対し、米軍がかつてヤマモト(山本五十六・連合艦隊司令長官)を撃墜したのと同じようなものと説明している。イラン国内では、ロックスター級の人気を誇る」(外信部記者)という。

 ソレイマニ氏はイラン南東部の貧しい農家に育った。13歳の時に父親の借金を返済するため建設現場へ出稼ぎに。彼が軍事の世界に飛び込んだのは、1980年代初期のイラン・イラク戦争だった。2カ月足らずの訓練で瞬く間に頭角を現し、20代にして歩兵師団司令官に抜擢された。

 98年には超エリート部隊「コッズ」の司令官に就任。ヴェールに包まれていたソレイマニ氏の存在が明らかになり始めたのは、00年代だ。