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連載歴史・時代小説の歩き方

2015/01/17

genre : エンタメ, 読書

好感度うなぎ上りの品川弥二郎

 玄瑞と文の婚約が発表され、「弥二郎は皆の視線が背にそそがれているのを意識しながら、黙って群れから離れ」た。「文さんは不別嬪じゃから気がむかぬ、とかと言った男のどこがよいのだ」と思いながら雪の中を歩く。

 そんな弥二郎の思いも知らず、なんと玄瑞は京都で美人(!)の芸者・辰路と恋に落ちるのだ(久坂玄瑞株、更に暴落)。それを知らされた弥二郎は、まっさきに文のことを心配する。しかも後年、辰路の生んだ子を玄瑞の子として長州に認めさせるよう奔走したのが弥二郎なのである。恋は恋、友情は友情なのだ。弥二郎、あんた漢だよ!

 尊王攘夷の過激な急先鋒だった久坂玄瑞は、京都でその若い命を散らした。品川弥二郎は激動の維新を生き抜き、日本に協同組合の制度を作るべく尽力する。そして親の紹介で結婚した妻と添い遂げ、病気で寝たり起きたりだった妻を、十数年の介護の末に看取るのである。

 この二冊を読むと、結婚するなら玄瑞よりも圧倒的に弥二郎だ。大河ドラマでは弥二郎推しに決めた。誰が演じるんだ。音尾琢真か。……って、「龍馬伝」の望月亀弥太じゃないか! もう、だからややこしすぎるんだってば今年のキャスティングは!

 ところで文だが、『花冠の志士』には「末の妹ということで、松陰は特別に文を可愛がった。二人の姉にくらべると、文は容色が少しばかり劣る」とある。余計なお世話だ。しかしそれを演じるのは、井上真央である。不別嬪なはずがない。さて玄瑞は何と言って断るのか? それとも断らないのか? まずは今年の大河ドラマ、そこに注目である。

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