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紙の通帳とATMを減らしたい……三菱UFJ銀行がコスト削減を進める理由

2020/02/03

 三菱UFJ銀行が1月24日から開始した「総額1億円プレゼントキャンペーン」が話題を集めている。従来の紙の通帳から、パソコンやスマホで閲覧できるデジタル通帳に切り替えた普通口座の利用者の中から先着10万人が対象だ。

平野信行FG会長 ©共同通信社

 なぜ1億円を費やしてまで切り替えさせたいのか。

「紙の通帳の場合、1口座あたり年200円の印紙税負担のほか、印字代などの経費がかかるが、デジタル通帳なら税はかからない。約4000万の個人口座を持つ三菱UFJ銀行はデジタル通帳への移行で、膨大なコスト削減が期待できるのです」(競合するメガバンク幹部)

 また口座管理手数料の導入の検討も始めている。

「2年間取引のない不稼働口座(休眠口座)が約800万件にのぼる個人口座に手数料をかけようとしています。今年10月の新規開設分から、年1200円の口座管理手数料を導入する計画です」(三菱UFJ銀行関係者)

 セキュリティやマネーロンダリング対策などで口座管理にかかるコストは年々増加している。

「銀行はあまり預金を集めたくないと思っています。運用に苦慮していることに加え、マイナス金利政策なので日銀に預けたままにしていたら金利を支払わなければならない。さらに預金保険料の負担も大きいのです」(銀行アナリスト)

 コスト削減のため、ライバルの三井住友銀行と提携し、昨秋から店舗外ATMの相互開放も始めた。

「ATMは1台あたり購入に数百万円、賃料や警備費など維持費に月30万円かかる。2行をあわせた店舗外のATMは約2800カ所のうち近接する600~700カ所を廃止・集約する計画で、各行は年数十億円を削ることができる」(同前)