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20カ月連続で前年割れ……“いきなりステーキ”はなぜ「高すぎる」と避けられるのか?

6年で約4割も値上げしたツケ

source : 提携メディア

genre : ビジネス, 企業, 経済

ガストより安い「いきなり!ステーキ」が高すぎると避けられるワケ

ステーキチェーン「いきなり!ステーキ」の失速が止まらない。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏は「販売不振の理由のひとつは、価格の高さだ。度重なる値上げで、強みだった駅前立地での優位性を失った。品質も値段に見合わない。再起を図るには2つの側面から価格を見直す必要がある」と分析する――。

写真=アフロ いきなり!ステーキ=2020年1月7日 - 写真=アフロ

張り紙で肉の硬さを謝罪

ここ数カ月、ステーキチェーン「いきなり!ステーキ」の話題が絶えない。既存店売上高が2019年11月まで20カ月連続で前年割れとなり、販売不振が続いている。特に10月は大型台風の影響もあり、前年同月比で41.4%減の大幅マイナスだ。

こうした状況を受け、運営会社のペッパーフードサービスは昨年11月、全店の1割にあたる44店の閉鎖を発表。昨年12月には客に来店を呼びかける張り紙を店頭に掲出し、話題を集めたことは、以前の記事で触れた〈12月19日財務状況がいきなり悪化「いきステ」の大ピンチ〉。

さらに今年1月には、「一瀬(社長)より皆様へ」として、「ワイルドステーキですが、時々硬いとお叱りを受けておりました。(中略)誠に申し訳無く思います」と、ステーキが硬いことを謝罪する張り紙を店頭に掲出している。

「相場」「品質」2つの観点から「高すぎる」

販売不振の理由は複数ある。自社の店舗同士で顧客の奪い合いが起きていることや、郊外ロードサイドで家族連れを取り込めていないこと、急拡大の中で従業員教育が追いつかずサービスの質が低下していることなどが挙げられるが、筆者が最も深刻だと考えるのは、「価格が高い」という点だ。

いきステの主力商品である「リブロースステーキ(300グラム)」は2070円(税抜き、以下同)。これが「相場」と「品質」という2つの意味合いから、高すぎるのだ。

1000円のラーメンを売るラーメン店を例にして説明したい。1000円のラーメンは相場を考えると高い。この場合の「相場」は、ラーメンとしての相場と食事としての相場の2つがあるが、ラーメンは大半が1000円未満のため、前者でいえば1000円のラーメンは価格が高い。また、1回の食事に1000円を支払える人はそう多くはないので、食事の相場を考えても1000円のラーメンは価格が高い。