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ガストより安い「いきなり!ステーキ」が高すぎると避けられるワケ

つまり、1000円のラーメンは「相場に対して価格が高い」といえる。一方で、この1000円のラーメンがフカヒレやアワビのような高級食材をふんだんに使ったものであれば、「品質を考えると価格は安い」といえる。

郊外ロードサイドの相場で考えれば安い

このように「相場」と「品質」によって適正価格は異なる。そのため、それぞれ別に考える必要があるだろう。この2つの側面からいきステの価格を見るとどうなるか。

「相場に対しての価格」を郊外ロードサイド立地と駅前立地で分けて考えてみよう。

郊外ロードサイド立地の場合、「リブロースステーキ(300グラム)」の2070円(税抜き、以下同)という価格は、相場に対してそれほど高いとはいえない。郊外ロードサイドで競合するステーキチェーン「ステーキガスト」の「特選リブロースステーキ(250グラム)」は1899円、ブロンコビリーの「炭焼き極選リブロースステーキ(300グラム)」は3480円と高価格だ。また、郊外ロードサイドには焼肉店など価格が高い業態店が少なくない。これらと比べると、いきステは相場に対して価格が高いとはいえないだろう。

いきステが郊外ロードサイドで苦戦している理由は、価格が高いことよりも家族連れを取り込めていないことのほうが大きい。子ども向けメニューが充実していなかったりテーブルが小さくて家族でゆったり過ごしづらかったりと、メニューや店舗の構造が家族連れに適していないためだ。

値上げを重ねて駅前での強みを失った

一方、いきステは駅前立地ではこれまで強みを発揮してきた。駅前の好立地を中心に、立ち食い形式によって低コスト・低価格を実現し、それを武器に店舗網を拡大してきた。

だが、度重なる値上げで、売りだった「割安感」は薄れてしまった。2013年の創業当時、リブロースステーキは当初1グラムあたり5円だったが、段階的な価格改定を経て今は6.9円となっている。300グラムで計算すると、1500円から2070円に値上がりしているのだ。