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ガストより安い「いきなり!ステーキ」が高すぎると避けられるワケ

いきステは、今でこそ定量で200グラムからでも注文でき1000円台のステーキもあるが、少し前までは300グラム以上とされ、メニューの大半が2000円以上だった。平均客単価も2000円台と推測できる。この価格帯では、他の外食チェーンのステーキと比べて割高感がある。例えば、ファミリーレストラン「サイゼリヤ」の「リブステーキ」が909円、「ガスト」の「牛リブロースステーキ」は1499円だ。駅前という立地に絞ると、今度はいきステの価格の高さが際立つ。

品質よりも絶対的な価格が重要な顧客層

もちろん味や量が異なるため、いきステが全面的に割高というわけではない。「品質を考えた場合の価格」いわゆる「コスパ」は悪くないケースもあるだろう。だが、ここで重要なのは「品質を考えた場合の価格」ではなく「相場に対しての価格」だ。

もうひとつの「食事としての相場」を考えてみよう。駅前立地のいきステがメインターゲットとするのは、男性のサラリーマンや学生だ。これらの層で一度の食事に2000円以上を簡単に出す人はかなり限られる。つまり、食事としての相場に対しても高いのだ。

この場合に重要なのは、味や量の多さからくる満腹感だ。なぜなら、食費に制限のあるサラリーマンや学生は、支出できるかどうかという絶対的な価格で考えやすいからだ。こうした層は、いくらおいしくても予算を超えた食事には見向きもしない。それゆえに、値上がりしたいきステは選択肢から除外されるようになったと考えられる。

ハレの日需要を取り込んだライバルチェーン

一方で、郊外ロードサイドで2000円以上のステーキが売れるのは、メインターゲットとなる家族連れの「たまには家族で豪勢にステーキを食べたい」という需要があるからだ。

いきステの登場前、ほとんどのステーキチェーンが駅前ではなく郊外ロードサイドを主戦場としていたのはそこを狙ってのことだ。ステーキは高級料理ゆえに、価格がどうしても高くなってしまう。そのため、駅前では十分な需要を取り込めない。そこで郊外ロードサイドで家族連れをターゲットにしてハレの日需要を取り込むことでなんとか成長できたのだ。