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串カツ田中の「東京の世田谷から攻めていく」が大正解だった訳

早くからフランチャイズ化し、店舗数を増やした

10年あまりの間に300店近くを出店したスピードに関しては、早くからフランチャイズ(FC)化に取り組んだことが大きい。2020年1月現在、276店の半数以上にあたる150店がFC店である。1号店出店から3年後の2011年には早くもFC1号店をオープンしている。

レシピの流出を防ぐために、ソース、揚げ油、衣などはプライベートブランド化して外部の工場に発注。店舗でのオペレーションは極力簡略化している。そのため従業員の負担が少なく、商品のクオリティーがブレにくいので、FC化に非常に適した業態といえる。加えて、前述のとおり、住宅街、駅前、郊外など多様な立地に出店できているのも大きい。

要するに大阪スタイルの串カツ店がいっときの流行にとどまらず、首都圏に定着することができたのは、商材や業態がもつポテンシャルだけに頼ることなく、外食企業が集客のための適切な戦略を立て、店舗数を拡大できたという点が大きい。いくら商品が魅力的でも、店づくりやサービスがおざなりならお客は足を運ばない。串カツがヒットした背景を考察すれば、外食業の基本を再確認できるのではないだろうか。

※参考文献『月刊食堂』2012年7月号、2013年9月号、2015年4月号(柴田書店)

石田 哲大(いしだ・てつお)
ライター
1981年東京都生まれ。料理専門の出版社に約10年間勤務。カフェとスイーツ、外食、料理の各専門誌や書籍、ムックの編集を担当。インスタグラム

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