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20万円要求、性行為を約束……池袋ホテル殺人犯が自殺志願者を狙った理由

「夢だった」とでも言いたいのだろうか——。

 東京・池袋のホテルで昨年9月、布団圧縮袋に入った女性の遺体が見つかった事件で、嘱託殺人の罪に問われた大東文化大4年生の北島瑞樹被告(22)。1月28日の公判で、初対面の女性を殺害した理由について「はっきりとした答えが出ない」「深く考えていなかった」と繰り返した。

殺害後は「怖くなった」という北島被告

 北島は事件の約1週間後、殺人容疑で逮捕。しかし遺体の状況や北島が「頼まれて殺した」と供述したことなどから女性が殺害を依頼した可能性が強まり、嘱託殺人罪で起訴された。

「SNSで自殺志願者を募って殺害するという手口が、神奈川・座間9人殺害事件の白石隆浩被告のケースと似ており、逮捕直後は『白石の模倣犯か』『ほかにも被害者がいるのか』といった不気味さがあった」とは警視庁担当記者。ところが法廷の様子は「犯した行為にしては印象の薄い、ありふれた大学生といった感じだった」(同前)という。

 北島の証言によると、自殺志願者に接触するようになったきっかけは、「教員採用試験がうまくいかず落ち込んだ」から。自らも自殺を考えていたところ、自殺志願者が多いことをツイッターで知り、「自分で死ねない人の力になろう」と思い付いたという。

「法廷では『うーん、多分……』『まあー、そうとは限りませんが……』といった言葉を連発。殺人に興味があったかといえば『そうでもない』と言い、煮え切らない態度を取り続けていた。被害女性は腸の病気で延命措置を受けたくないと話していたというが、殺害以外の方法で力になろうと考えなかったか問われると、『はっきり答えが出ない』とも」(司法記者)