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連載シネマチャート

巡礼の旅に出た妻と家族の姿を描いたヒューマンドラマ 「巡礼の約束」を採点!

シネマチャート

〈あらすじ〉

チベットの山あいの村に暮らすウォマ(ニマソンソン)は、五体投地でチベット仏教の聖地ラサへ巡礼の旅に出ることを決意する。夫のロルジェは半年以上もかかる巡礼の旅に反対するが、ウォマの決意は固かった。ウォマの出発から数週間後、妻が自分に病気を隠していたことを知ったロルジェは、バイクを飛ばして追いかける。旅を中止して病院へ行こうと説得するが、ウォマは頑として聞き入れない。死別した前夫とウォマとの息子ノルウも合流するが、ウォマは次第に衰弱し、前夫の遺灰でつくった仏像をノルウに託して息を引き取る。ロルジェとノルウは、母を亡くした仔ロバと出会い、巡礼の道を歩き続ける。

〈解説〉

日本初のチベット人監督の商業公開作として注目された『草原の河』のソンタルジャ監督作。巡礼の旅を通じて哀しみや苦しみを乗り越えていく家族の姿を描くヒューマンドラマ。109分。

©GARUDA FILM
  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆不信心者の私でもこの巡礼物語には心を打たれる。過不足のない描写。目を奪う大自然、作法、近代化の波。可憐なロバ。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆ゆっくりと動く長回しのキャメラが、正負両面に働いている。和解の情感は沁みるが、つらい話を正視する体力が必要だ。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆美しい風景の中で義理の父親と息子の苛立ちやら焦燥感が、善良な心持ちを支えに淡々と描かれる。切なく気持ち良い。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆『ラサへの歩き方』でも強い印象を放った五体投地の巡礼。人間の精神性と儀式性が悠久の大自然の中で特異に際立つ。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆五体投地という決死の覚悟。継承する家族、灯明の花、投影されたチベットの現在。仔ロバの名演。浄化された気持ちに。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆

INFORMATION

「巡礼の約束」(中)
2月8日(土)より岩波ホールほか全国順次公開
http://moviola.jp/junrei_yakusoku/

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