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Aの借金は数百万円に膨らみ、困窮の果て……

 同じく市内出身のAは30代の頃、勤めていた大手化学メーカーの子会社が人員整理をした際、独立してリフォーム業を始めた。

「でも失敗してサラ金に借金を300万円ほど作って。見かねて清掃業を教えたんです。その時、Aの仕事を手伝いに来たのが美奈子さんでした。歩夢くんがお腹にいた頃です。その後、Aは不動産業者から仕事をもらい、賃貸物件のハウスクリーニングをしていました」(市内の清掃業者)

 東日本大震災後は仕事も増えたが、やがて業績は停滞し始め、美奈子さんが配送会社などでパートをしながら家計を支えた。

「借金癖のあるAは、大きなお金が入るはずの仕事が不調に終わったと弁明していたようだ」(別の業者)

 気づけばAの借金は数百万円に膨らみ、事件直前にあった返済日も反故にした。自分の顧客に土下座してお金を無心する図々しさもあったAだが、困窮の果て、心中へ突き進んだ。

海音さん、茅乃さん、歩夢くん

「『死にたい』と話すAに美奈子さんが『私も』と同調し、子供たちも覚悟の上で追随したと思われる」(前出・捜査関係者)

 自衛隊員という将来の夢を持っていた歩夢くん。兄を慕い、いつも2人一緒だった茅乃さんと海音さん。

「3人とも中学では情報処理部でしたが、歩夢くんは試合などで送り迎えのある運動部に入ると親に負担がかかるからと、入部の経緯を話してくれたことがありました」(近所の商店主)

 そんな親想いの子たちを道連れにしつつ、唯一生き延びたA。回復次第、殺人容疑で逮捕される見通しだ。

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