新型コロナ、「全便運休」なら航空会社は何カ月で倒産するのか
新型コロナウイルスの影響で、航空路線の運休や減便が相次いでいる。航空会社の経営にはどんな影響があるのか。2月13日付で市江正彦社長の交代を発表したスカイマークの佐山展生会長に聞いた――。
「マスクの確保には頭を悩ませています」
——新型コロナウイルスの拡大が止まりません。2月6日現在、スカイマークの経営に影響はありますか?
当社ではお客さまのほとんどが国内ということもあり、お客さまから感染者が出たというケースはこれまでのところはありません。
新コロナウイルスは海外路線、特に中国との路線を持つエアラインに影響しています。当社の場合、2月に400名程度の中国人団体旅行者の予約が入っており、キャンセルとなったようです。しかしこの程度の空席は問題なく埋まります。国内を中心に展開する当社のようなエアラインには現在のところ、大きな影響は出ていません。
——日本国内でも感染者が出ました。現状ではどのような対策をとっていますか。
乗務員のマスク着用、手洗いと消毒の徹底などです。客室乗務員などもマスクを着用して乗務しています。
マスクの確保には頭を悩ませています。調べてみると、マスクの製造工場は中国が多く、現在、日本への輸入がうまく動いていないようです。世界の工場としても中国の影響力を痛感しました。
——今後の影響をどのように予測しますか。
人の移動が減るという意味では航空業界に限らず、あらゆる産業に影響するでしょう。しかも依然として感染が広がっている状況で、いつ終息するのか見通しも立ちません。特に中国とのかかわりが強い企業であるほど、深刻な状況だと思います。
「全便欠航」なら現預金だけで維持できるのは2カ月弱
——ANAは3月28日まで中国本土への運航本数を週165往復便から週81便に半減させると発表しました。JALも運航本数を週98便から週43便に減らします。航空会社にとって「運休」には経営面でどのようなダメージがありますか。